LAN電源制御成功!
15Aを制御するのは大変(3/31/08)
電源部の実装ではまっている。気楽に15Aと言っていたが、部品が揃わないのである。リレーは簡単に手に入ったが、AC関連のありふれたパーツはみな定格が10Aどまりで、あらゆるものが問題になる。あってもごつくて、考えているケースにとても入らない。一番の問題が手動操作用のスイッチで、コントローラの作動を反転させる階段スイッチのような単極双投スイッチを探したのだが、適当なものがない。あっても、それだけでケースが一杯になるような大きさで高く(¥1000近い)、下手をするとスイッチを入れる動作だけでケースがこわれてしまいそうだ。
世の中にはマイクロスイッチというのがあって、これが双投の上、軽く15Aをクリアし大きさも親指の頭くらいで値段も高くなく(¥300前後)、ぴったりなのだけど、こいつは殆どがモーメンタリ(押しているときだけON)で、プッシュスイッチのような動作をするものがない。ここの業界も縦割りが進んでいて棲み分けが出来ているようだ。
ヒューズもそうだ。市販のヒューズボックスは10Aが最高で、それ以上は車載用の防滴型などの特殊なものに限られる。ACインレットもなかったが、これは秋葉原のラジオデパートを探し回って偶然、電源コード店で見つけた。しかし、インレットとアウトレットを2つ並べるスペースがない。やっぱり今の小さなケースでは(125×80×32)無理なのか。結局、100V側で切り替えることをあきらめ、インレットは省略し、スイッチはMCUがわのソフトで対応することにした。
ここで問題になるのが、通電の監視である。ソフトでなく実際の通電をモニタしたいが、相手は100V ACである。まあ、LEDを光らせるつもりでフォトカプラをつければ何とか分離できそうだと、最初は気楽に考えていたが、考えてみればAC50Hzのパルスが伝えられたのでは通電の確率は50%になってしまう。そうか、DCにしないといけないのだ。フォトカプラの前でダイオードとコンデンサで直流にしてやれば良い理屈だが、Webなどにはこういう乱暴な方法はどこにも書いていない。
こうなったら自分で確かめるしかない。100Vいきなりでやるのはちょっと怖いので、昔買ってあった6Vを出すトランスを取り出し、6Vでやってみることにした。実は50Hzのパルスになるというのは、この実験でわかったというお粗末。受け側がHighにならないで中間でふらつく理由を考えていて、平滑コンデンサーの必要性に気づき100μFを入れてやっと考えていたように平坦になった。
面白いので本当にパルスになっているか、ロジアナで確かめてみた。いや、ちゃんとパルスが出ている。コンデンサーの容量を減らしていくと33μFあたりでパルスになる。面白い。昔習った時定数で計算してみた。電源インピーダンスは6V、5mAだから1.2KΩ、時定数CRは、33×1.2でおよそ40msが最初の電圧の36%になるところである。
次のリップル(半波整流)が来る20msではどれくらいかというと、直線で減衰するとみなして65%くらいか。100μFだと90%近く残る。この間あたりに閾値があるようだ。すごい。昔習ったことが役に立っている。何かとても得をしたような気分を味わった。
ブレッドボードでレーザプリンタの電源制御成功!(4/3/08)
電源部の仕掛けがやっと出来た。15Aのコードはやわらかいコードを選んだはずだが、ケースが小さすぎてACインレットをつけられなかったので、とりまわしがやりにくい。コードを動かすとケースごと動いてしまう。まあ、殆ど固定しておくので実用的には問題がないが、テストの時は気を遣う。何しろ100Vである。昔、真空管ラジオの頃、250Vに感電して、指の先に穴を開けた経験があるが、それほどでないにしても気分のいいものではない。
電源部は予定外の部品が入って苦労した。ヒューズボックスは10Aのものしかなかったのでつけない予定だったが、やっぱり心配だ。家の部品箱をさらっていたら、30Aのガラスヒューズが出てきた。昔の自動車用だけど、サイズはぴったりである。試しにレーザープリンタの電源を通して30枚ほど連続印刷してみた。
ほんのり暖かくなる程度で特に問題はなさそうだ。予定を変えてつけることにする。まあ熱を持ったらヒューズが溶けるので最悪の事態は避けられる。やっぱりヒューズは万が一を考えて付けておきたい。 これが、測ったようにピッタリ縦の電源基板にはまるのである。ただしリレードライブ用のトランジスタはメイン基板に追い出されてしまったが、これは殆ど問題がない。
配線が全て終了し、慎重に一部分づつテストしていく。まずリレードライバーをブレッドボードに組み、ブレッドボード側の電源でリレーを動かす。「カチッ」と頼もしい音がしてリレーが動く。定格は100mAだが、電池の4Vで70mAしか流れていないけれどちゃんと動く。偉い。次が問題のフォトカプラ部分である。
とりあえず、何も接続せず100Vを通電して様子を見る。異常はなさそうだ。ブレッドボードにLEDを組み、出力側につなぐ。通電。点いた!電圧を測ってみる。20KΩの抵抗で計算どおり入力側の電圧は1.1Vになっている。いや順調。順調。
ACアウトレットに出力コードを半田付けする。これで電源部とケースは離せなくなってしまうが仕方がない。試しに照明スタンドをアウトレットに差込み、ブレッドボードのドライバの入力をONにする。点いた。フォトカプラからのLEDも点灯する。
調子に乗って、大きいほうのブレッドボードに組んであるLANコントローラの一部にこのリレードライバを移し、出力LEDの部分が入力になるようにする。PCを立ち上げてウエブブラウザを動かす。
やった。画面のクリックで照明スタンドが点灯した。マイコンを始めた去年の10月からおよそ半年、商用電源の制御がLANを経由して可能になった瞬間である。嬉しくて居間のノートPCからも動かしてみる。もちろん当たり前のようにスタンドは点く。
ここまで来たら最後までやるしかない。レーザプリンタを接続する。今度は13Aだ。リレーは15Aまで大丈夫だから問題ないはずだが、何故か緊張する。プリンタの電源を入れてブラウザでON。ところがプリンタは動かない。頭から血が引いていく。もう一度OFF/ON。やっぱり動かない。えー何で? 音がしていないか、何かにおいがしないか、一生懸命耳と鼻をきかすが何の変化もない。 電源を切り、気を取り直して最初から調べなおした。いやいや何のことはない、レーザプリンタのインレットのところがコードを引っ張ったために抜けかかっていただけだった。
インレットを差し込みなおし再度テスト。通電のLEDが点いた。少し遅れてプリンタの中のリレーが「カチッ」と音をたてお馴染みのウオーミングアップの音がしてプリンタは無事動き始めた。ブレッドボードだけれどレーザプリンタの制御が実現した。何枚か印刷して30分ほど様子を見る。
電源を切って、基板の電源部をチェックする。リレーはほんのり暖かくなっている程度でヒューズボックスは殆ど変化はない。ヒーターやドライヤと違ってレーザープリンタは待機の時の消費電力は極めて少ない。心配なさそうである。
あとは、ブレッドボードの回路をメイン基板に実装するだけである。ああ、手動スイッチのソフトを追加する必要があるが、これは完全にソフトウエアの世界なので特に問題はない。さあ、この目標も最終段階に来たようである。次のテーマを探さないといけない。
実装がほぼ終了。ケースの上蓋工作を残すのみ(4/9/08)
構想10年じゃなかった、去年AVRを始めて以来、最終の目的にしてあったネットワークによる商用電源の遠隔制御装置が遂に12センチ×7センチのケースに実装され、実際に動き始めた。メイン基板の配線は、殆どICとの間の接続だけなので、アートワークも簡単に終わり、半田付けも楽だった。リレードライバが電源部から引っ越してきたが、まるで測ったように空きスペースにぴったり納まる。快調、快調。
はやる心を抑えてコンセントに電源ケーブルを差し込む。電源ONの緑LEDが点灯、ブラウザでONをクリックするとリレーの音とともに赤いLEDが点灯した。配線間違いもなく、見事に実装版が動いた瞬間だ。レーザープリンタに接続し様子を見る。暫く使ったが、印刷しない限りレーザープリンタは殆ど電力を消費せずリレーがほんのり暖かくなる程度で全く問題ない。ただ、NIC基板は100mA以上流れるのでこれよりやや暖かい。
残る作業は、上蓋に電源コードの穴を開けてブッシングをつけること。2本のLEDの穴をあけるのみとなった。ただ少し気がかりなことがある。100V出力のモニタにフォトカプラで赤LEDを点灯させているのだが、将来のためにMega168の入力ポートにつないだら、highにならないのである。フォトカプラはプルアップして負論理にしてあり、LEDは制限抵抗を介してVccにつながる。負荷抵抗の形になるのでおかしいけれど単独なら別に問題なく、lowで点灯する。
ところが入力ポートに接続すると、フォトカプラがOFF状態でもLEDがついてしまう。デジタル回路の入力インピーダンスは非常に高いはずで、ポートをつないだだけで変わるとは思えない。Webで色々探すがどうも良く分からない。フォトカプラの出力はいわゆるオープンコレクタでデータシートによれば10mAくらい流しても問題ないはずなのだが、何か勘違いをしているのかもしれない。
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