秋月FGキット稼動
正負両電源の工作(9/14/08)
当がた老AVR研究所のブログは、昨年の10月から溜まっていたほぼ一年間の記録を先月の20日以来、少しづつまとめてアップロードしてきたが、この前の記事でストックが切れた。この記事からここ数日の出来事を報告する本来のブログらしくなる。
自作のソースコードをどんどん公開するはずだったが、最近はこれまでに公開されているソフトを流用することが多く、オリジナリティに欠けるためためらっているのと、雑誌の付録に浮気したりして時間をとられ、思うように公開できていない。それでもこのところ毎日50人以上の方々がこのブログを見に来てくれている。ありがたいことである。
全部の記事の索引と、ダウンロードできるリンクの索引があると便利になると思うが、まだこのブログを良く調べていないので出来るがどうかわからない。
それと気になっているのが、発足以来回路図を一度もアップしていないことである。これも、これまでの回路図がすべて、これまでの先達の方々のを切り貼りしたもので全く自信がない。何とか我が家では動いているが、これを参考にされたらまずいのではないかと思うのと、自分がまだ回路図CADを使いこなせてないのもその理由である。
もし、欲しいと思われる方がおられるなら、コメントにでも書いてください。今度のリズムメーターあたりは私のオリジナルなので、ソフトも回路図も公開できるかもしれな い。何にしても回路設計はこれはこれで奥の深い世界で、そうそう簡単にマスターできるものではない。人様の知恵をお借りするしかないのだ。その意味ではこうした趣味が続けられるのも、インターネットと自分たちの技術とノウハウを惜しげもなく公開してくれている先達のみなさんのお陰だ。この場を借りてあらためてお礼を申し上げたい。
さて、工作のほうだが、リズムメーターを作りたいから始まって、間歇音の間隔をデジタル化したい、アナログアンプをうまく作りたい、オシロスコープが欲しい、オシロスコープを買ってしまう、アンプの調整には信号発生器が必要、秋月のファンクションジェネレータキット(以下FG)を入手、両電源が要る、簡易負電源が動かないと、風が吹けば桶屋が儲かるのような連鎖で、今、少しまともな負電源を作ろうとしている。
例によって、秋月、千石で品物を調達する。今度は計測器にするのでケースやボリュウム、つまみ、ロータリースイッチなども物色した。ちょっと小さいが気にいったケース(タカチYM-150 ¥780)があったので、これに実装することに決める。
レイアウトは悩ましいところだ。つまみを上面に出すのが一番工作が楽だが、基板とケースに部品が分かれる上、何となく頭でっかちでバランスが悪い。で、今考えているのが、写真のように、ボリュウムとロータリースイッチを側板に並べるレイアウトだ。これだと、ロータリースイッチと基板の位置が固定されるので周波数が高くなったとき安定する。BNCの出力プラグと、LCDを上蓋に配置する。
で、問題の負電源だが、大いに迷った。結論がでなかったので、買い物では、秋月で手に入るLinearTechnolgyのDCコンバーターICの、LT1054(100mAまでの負電源が作れる)と、負電源用3端子レギュレータ7905の両方を買ってどちらも作れるようにした。あわせて千石で、0-8V-16Vのトランスを買う(¥760).。これ何も書いていないけれど、8-0-8の正負電源に使えるはず(?)。
どちらにするか迷った挙句、DCコンバータを試してみたい気持ちが優り、まずこちらを作ってみることにする。トランスを使ったシリーズレギュレータは高音質アンプのために残すことにする(おいおいオーディオに行くのか)。DCコンバータにしたもうひとつの理由は、分割するために買ってあった9Vアダプタの顔を立てる意味もある。 このDCコンバーターは、50mAとると1.5V以上の電圧ロスがあるということなので常用の6VのACのアダプターでは-5Vになってくれない。少なくとも8V以上のソースが必要なので、ちょうど良い。
プラス側は普通の3端子レギュレータである。これまでレギュレータは、発熱を嫌って低ドロップ型のものを愛用しているが、昔買った、7805が部品箱にまだごろごろしている。9Vから5Vと半分近くただ熱で消費してしまうのは地球にやさしくないが、部品の活用ということでは胸が張れる。このあいだ勉強した熱抵抗の計算で、レギュレータの発熱がヒートシンクを必要としない程度であることを確認しておく。
- 発生熱 (9-5)V×0.05A=0.2W(プラス側のみ)
- 78M05Aの熱抵抗(接合部、表面間) 125°/W
- 0.2Wのときの温度差 125×0.2=25°
- 接合部の温度(気温35°時) 35+25= 60°
- 接合部最大許容温度 150°なので全く大丈夫
工作は、最初作った抵抗分圧回路のパーツを基板からはずすのにまた苦労する。単価一個¥1の抵抗器などニッパーでさっさと切って次の空間を空けたほうが生産性が上がるのだが、昔から貧乏性というのか、可哀そうと思うのか、どんな小さな部品も生きているものなら捨てることができない。結局、最初の電源部の配線で残ったところは、ソケットとスイッチ、LED(パイロットランプ)だけで他はすべて作り直しになった。
電圧を可変するため、半固定の抵抗にし、あとで調整できるようにする。電源部は0.5ミリの錫メッキ線か、CRのリード線を利用して配線しているが、これが結構手間がかかる。0.5ミリ線も短くなれば曲げにくいし、下手に力を入れるとランド毎はがれてしまう。半田付けの1/3の工程でDIPソケットを逆にしていることがわかり、迷ったがやり直しすることにする。さしたICを抜くことはまずないだろうが、抜くときには恐らく逆にしたことを忘れている可能性が高い。万が一のときの備えである。
秋月FGキット稼動(9/15/08)
DCコンバータを使った正負電源が完成した。電解コンデンサーとレギュレータが近接して余り良いレイアウトではないが、発熱は余り心配なさそうだし、基板にはこれから周波数カウンターのCPUチップが載る予定なので手狭なのは仕方がない。
電源線を半田付けする前にブレッドボードを介して接続し、電圧と電流を測ってみた。プラス側はともかく、マイナス側は調整が必要である。本体とつないでスイッチを入れる。順調にマイナス電圧が出てくる。上手く行った。半固定抵抗で-3Vから-7Vまで自由に電圧を選べる。電流も測る。プラス側が42mA、マイナス側が56mAであった。このあいだの簡易両電源の中位点がずれたのがうなずける。
電源部のユニバーサル基板と秋月FGキットの基板の固定用のビス位置がかなり近いので少しネジ穴を広げて電源部の基板とキット基板を接続して1枚にした。これでバラックでも取り回しが楽になる。 手元が楽になったので、オシロを見ながら秋月FGの最高周波数を試験してみた。キットに入っているコンデンサーのリード線を短く切り、それを差し替え、差し替え周波数を高くしていく。周波数を高くしていくと、方形波のオーバーシュートが気になりだした。
20MHzは簡単に出るようだ。オシロの周波数表示を信用すると、26MHzまで出ることが確かめら れた。ただし、正弦波は15Mhzあたりから歪み始め、方形波は20MHzになると、「方形波もどき」的な波形になる。ただまだオシロに慣れていないので、これがFGが出しているものかオシロが歪んで測定しているのかはわからない。しかし、さすがは帯域60MHzのオシロだ、水平方向は20MHzでもまだまだ余裕がある。
心配したレギュレータの発熱だが、4Vの電圧降下でも思ったほど熱くならない。むしろLT1054のほうが触れないほどではないが結構発熱している。それにMAX038も同じくらい熱を持つ。周波数が高くなればなるほど熱くなるようだ。
アンプの測定に次に必要なのはアッテネーターになる。今はボリュウムをICクリップでつまんで動かしているので安心して他のことが出来ない。これも厳密なことを言いだせばいくらでも難しくなるが、今求めているのは単にアンプの入力になるくらいまでゲインを落とすだけなので単なる可変抵抗で十分だろう。
それと、周波数変更をいちいちコンデンサーの差し替えをやっていたのではやはり実用的とは言えない。部品は買ってあるので早くケースの工作を始めなければならない。いや次から次にやることが増えていく。
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