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2008年9月 9日 (火)

雑誌付録のFPGA基板入手

紀伊国屋でバックナンバー発見(7/9/08)
 仕事をさぼって映画を見ようと新宿に出てきたときのことである。開演までの待ち時間に紀伊国屋本店を覗いたら、一時姿を消していたARMチップが付録になっている雑誌のバックナンバーがまた並んでいた。大書店だと独自在庫を持っているのだろう。 そういえば、この雑誌は1年ほど前にFPGA基板を付録にしたことがある(デザインウエーブマガジン2007年7月号)。 まさか、そのバックナンバーまではないだろうと書棚を目で追っていたら、それがあったのである。目を疑った。確か出版社では品切れの印がバックナンバーのところについていた号である。

 迷わず手にとってレジに向かう。入手しにくい発振子や、単独で走らせるときに必要なROMチップがついていないので人気がなく残っていたのかもしれない。それにしても、今、買って実験してみようと考えていたCPLDが¥1000程度で数千ゲートしかないのに対し、この付録のFPGAは何と25万ゲート(Spartan XC3S250E)。それで使い方を書いた雑誌こみで¥2480というのは無茶苦茶な安さである。動かすまでには相当な道のりがあると思うが、FPGAを知るにつれて、昨年、マイコンを始めたときと同じような興奮を覚えてきた。

 始めは、単に、ロジック回路をせっせと配線して組み込むかわりに、ひとつにまとめてしかも高速に動かせる便利な集積回路くらいに考えていたが、調べていくうちゲート数が10万を超えてきたら、これはちょっとしたCPUと同じと言うことに気がついた。雑誌やウェブでソフトCPUコアとか、Linuxが走るコアという意味がわからなかったが、それがこのことだったのである。

 今まで40年以上コンピューターの世界にいて少なくともCPUは神が創ったものと同じで我々には手の届かない神聖な存在であった。それが、自分で自由に設計できるのだ。もちろん初手から作るなどは無理で、これまでに先人が構成した要素を組み合わせたり、出来合いのソース(VHDL)をダウンロードするにすぎないのだろうが、少なくともそれを可能にするリソースは今自分の手の中にある。FPGA基板ともなると、どんなに安い教材キットでも1万数千円はする。それが¥2000余りで手に入った。たとえ何も出来なくても可能性だけは少なくとも手に入れた。何か心の奥底から、ぞくぞくわくわくする感情を押さえることができない。729fpga

 で、何を作るのと聞かれてもちろん具体的なものがあるわけではない(それは聞かないお約束)。画像処理の何かに使えるかくらいの漠然としたもので、遠大な夢としては、昔のAppleコンピューターを再現するというのもあるが、まだ現実的ではない。それまでにやりたいことが沢山あるのでいつ手をつけられるかわからない。しかし、夢としては大きな夢をもらった。楽しみなことである。

ARM付録基板に苦戦(7/11/08)
 LEDマトリックスの電子工作が一段落して、がた老AVR研究所は新しい局面を迎えた。FPGAという新しい目標が出来たが、これは一筋縄では行かない。現在のデジタルデバイスでも最先端技術のひとつなのだ。私のようにハードを知らない人間にとっては目の眩むような高みにある。Webサイトのページを見ていても殆どがハードウエアのプロが余暇に楽しんでいる雰囲気で素人が気楽に始められるものではないことは明らかだ。

 しかし、FPGAを知ってしまうと、今までやってきたAVR関係の工作の輝きが急に失われていく感じがするのは否定できない。要するに電子工作の面白さは、自分の好みのものを既存の部品を使って自由に組み立てることにあるのだが、FPGAはその究極にある。完全にハードが手作りできるのである。

 それはさておきFPGAボードの揃えるべき部品のリストを作りながら調べてみたらそれほど苦労しなくても馴染みの店で大体の部品は手に入りそうだ。電光掲示板のプロジェクトの整理のため、ブレッドボードに苦労して作ったMega128とSDカードのセットを本格的な汎用マザー基板に移し替える作業を始めているのだが、どうも気がそぞろになって、なかなか進まない。少し気分転換をしようと、今まで放ってあったこのあいだの32ビットCPUのARM付録基板を触ってみた。

 こいつは、ピンヘッダーとSDカードのソケットを半田付けしただけで、その先は進んでおらず、SDカードが動くかも確認していない。動作確認くらいやっておこうと雑誌に載っていたUSBをマスストレージにするファームウエアを書き込んでみた。開発の時に使うDFU(ファーム書き込みをUSBから行うローダー)に慣れるためもある。こいつだってFPGAの前は有力な開発ターゲットだったのだ。

 ところが、これが雑誌の記事通りにPCにソフトをダウンロードしてDFUが動くところまでは簡単に行ったのだが、ターゲットのチップに目的のファームウエア(ここではイメージと言っている)が正常に書き込まれない。CDにあるサンプルのUSBマスストレージのイメージが不正なフォーマットだとか言ってupgradeを拒否する。

 えー、雑誌提供のイメージがどうして不正なのだ。違うファイルをダウンロードしようとしているのか、何度もその部分を読み返すが、指示通りの場所に間違いない。どうも雑誌の説明が不十分で、イメージの書き込みの手順が何か省略されているような気がする。画面の別のところにuploadという機能があり、しかも指定されたイメージはfarmware upgradeというフォルダにあって、本体のMassStrageのフォルダにはイメージが入っていない。uploadをやってみると何故かこれはうまくファイルが書かれる。しかしCPUチップは相変わらず、以前のVirtualComPortと同じになってしまう。

 雑誌社のサイトや色々なサイトを漁ってみるが、これに関した情報はどこにも出ていない。仕方なくGoogleが検索した2ちゃんねるのサイトまであたってみた。ここは大体いつもゴミ情報が殆どで雑誌社や著者の悪口、揚げ足取り、投稿者同士の下らない喧嘩など、愚にも付かない話ばかりで、いつも気分が悪くなるのだが、この際は仕方がない。たまに参考になる情報(困っている人の書き込み。大抵は無視されているが)が見つかるときがあるので、我慢してこまめに調べてみた。

 殆どが、この基板の設計者の悪口(まあ、少し前の基板には随分誤配線があったようだ)ばかりで、胸が悪くなりそうになり、そろそろもうやめようかと思ったころ、自分がはまっている部分で、「CD-ROMから直接書こうとすると、読み込み属性ではエラーになる。著者が実際に動かしていない証拠だ」と息巻く書き込みをみつけた。

 これだ!急いで、CD-ROMにあるイメージをPCのデスクトップに貼り付けupgradeしてみた。やった。順調にイメージが書き込まれた。はやる心を抑えてUSBのプラグをつけなおす。画面に「MassStorageが見つかりました」というメッセージが出て、SDカードのアイコンがあらわれた。やったやった。午前中からはまっていた問題がやっと解決した。それにしてもソースファイルがReadOnlyだと他へ書けないというのも変な仕様だ。

 勢いに乗って、DFUの練習のため、元のVirtualComPortに戻す。ところが、加速度センサーが動かなくなる。そりゃそうだ。このCD-ROM に入っているVirtualComPortはメーカー提供のサンプルイメージで加速度センサーのことなど知らないはずだ。この雑誌社のソフトはどこにも見当たらない。青くなる。雑誌の先の号でこの加速度センサーを使った記事がいくつかあり試してみたかったのだがそれが出来なくなる。

 下らない話だけれど、出来なくなると思うと何か無性に残念になる。こういう細かいところにこだわる自分が情けなくて更に余計落ち込むのだ。昔からこの性格に悩まされている。少し気分が戻ったところでふと気がついた。さっきのuploadというのはどうも、downloadの反対で、チップにあるイメージを吸い上げる機能のようだ。uploadがうまく動いていたということは、最初のイメージをPCのどこかに残しているのではないか。

 その証拠に最初そのフォルダは書き込めないと怒られ、適当な場所を指定すると書き込みに成功している。そのイメージでupgradeしたが変化がなかった(元通り動いた)のだ。調べてみると、あった、あった。MassStrageという名前になっているが、これは勘違いでこちらで設定した名前で実はここに元のイメージが入っているに違いない。まあ、動かなくなってもいいやぐらいのつもりで再びこのイメージでupgradeしてみた。ビンゴ!であった。CPUチップは見事に最初の状態(加速度センサーの値が連続表示)に戻った。

 いや、気分の爽快なことこのうえない。プログラムのデバッグで不具合を見つけたときと同じ気分だ。いくつかの仮説をたててそれにもとづいて話を組み立て、それを実際に確かめる。苦労の末、その仮説が正しかったことが証明される。気分の悪くなる2ちゃんねると辛抱強くつきあったのもその甲斐があった。一種のソーシャルエンジニアリングの成果だろう。別の意味のデバッグの快感を味わって気分が良い。

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