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2008年9月25日 (木)

リズム音の収集はこれで完成

オペアンプの検波回路が多すぎる(9/23/08)
 秋分の日も朝から工作室にこもってオペアンプから出たリズム音のDC化に没頭していた。オペアンプの2段増幅で、デジタル化に十分な電圧が得られたので、これを直流にする検波(整流)回路を考えている。要件は簡単で打楽器、メトロノームなどのパルス音を集めるが、とりたいデータは音と音の間隔の時間だけであり、音の内容(大きさ、長さ、周波数など)はとりあえず関係ない。VUメーターのように絶対的な電圧の精度もいらない。アンプから得られた音波波形は明らかにプラス側がどこかでクリップされているが、どうせ検波して、ローパスフィルターをかけてパルスをならしてしまう予定だし、ゲインも十分なのでこれ以上の調整はやらないことにする。

 検波も半波整流で問題ないと思うが、根が凝り性なもので、最小部品で最大効果を狙ってWebの情報で色々勉強してみた。ところが、これがべらぼうに種類が多い。だいたいオペアンプというのはダイオードなど使わなくても、このあいだのDCアンプのように2つある入力の電位を変えるだけでACが整流できるのである。VUメーターの作り方を紹介しているサイトでは、ダイオードの順電圧降下分を補償する理想ダイオード回路などを使っていて(微小電圧のところまで整流できる)魅力的だが、これは全波整流するのに2つもオペアンプがいる。何となく資源を無駄遣いしているようで気が進まない。

 まあ、このへんがアマチュアの醍醐味だろう。気の済むまであれこれ自由に考えることができる。Webを漁った結果、4つばかり種類の違う検波(整流)回路が見つかった。  オペアンプに明るくないので何がどう違うのかさっぱりわからないが、結局、お手本にしたのは部品が少なく単電源でオペアンプひとつで全波整流ができる、エレキジャック(http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/07/428.html#more)の工作ページの回路である。ここのサイトは私と同じようにマイクから音を拾ってデジタル化し、メカを動かす工作を連載で掲載していてなかなか興味深い。オペアンプが私と同じLM358を使っているのも親しみが持てる。Pict0755

 ブレッドボードでこの回路を組み、2段アンプとはカプリングコンデンサーでつなぐ。ところが、プラス側は正常に出るが、マイナス側が、はるかに高い出力がでてクリップされてしまう。ちょうどコンパレータとして動いているのと同じである。前段のアンプの出力インピーダンスが低くて検波オペアンプの入力インピーダンスが下がり、増幅されてしまっているのだと思うのだが、定数の違う抵抗をいくつか入れてみても全く変化がなく直らない。749

 やれやれ、少しわかってきたとは言え、アナログは難しい。このあいだ買った「定本トランジスタ回路の設計」を精読してだいぶ理屈が分かってきて、今まで疑問だったことが少しづつ解け、霧が晴れるように見通しが良くなってきたのだが、ちょっと回路が複雑になって相関関係が出来てくると途端にわからなくなる。要するにアナログの回路設計の難しさは、デジタルと違って、厳密な解がなく(あっても解けない)近似値と近似値との折り合いなので、経験がない(無視できるところが分からない)とこの匙加減が出来なくて難儀するのだと思う。

ダイオードの方向が逆だった(9/25/08)
 全波整流回路は正しく波形が折り返せず、片側(マイナス)はコンパレーターになってしまうという不本意な整流結果とはいえ、当面のDC化は出来ている。最大電圧はピークで4V近くありマイコンのTiny861のコンパレーターやADコンバータの基準電圧2.56Vをはるかに超え、もう十分である。

 オシロのスイープを長くして(100ms以上)、メトロノームを持ち込みマイクで音を拾うと、しっか75110ufりパルスが観測できる。もう少し整形してみようと、出力に10μFと1kΩのローパスフィルターをかけて波形を見てみた(写真の最上段)。これでカットオフ周波数は16Hz (30msパルス )で、このタイミングは、このあいだのADコンバータの測定間隔30msと、オシロで見た、人が出せる最小の衝撃音(舌打ち、手を叩くのはもっと長い)から選んだのだが、これはさすがに、立ち上がりが明らかになまっており正確な時間を測れなさそうである。

 今度は、この1/10(160Hz 3ms)のフィルターにする(中段)。メトロ7521ufノームのような金属音の急激な立ち上がりにも追従し、途中の無音部もならされて比較がしやすくなっているが、途中の音の切れるところや声の周波数でレベルの下がるところがありデジタル化で間違える可能性がある。

 というので、中間の4.7μFにする(最下段)。うむ、信号の立ち上がりも早いし、あともなめらかで具合が良さそうだ。いや素晴らしい。このあいだ急ごしらえで同じような回路を作り手探りでTiny861のADコンバータに入れてUARTに結果を吐き出させたとき願った夢が目の前で実現している。信号を見ながら最適な定数を選ぶことが出来るのだ。7535uf

 少々お金がかかったが、かけただけの価値がある結果だ。何もないところを工夫と努力で何とかつくりあげるのも、ある意味で楽しいが、こうして目の前で結果を確かめながら余裕でやりたいことを仕上げていくのも、とても充実した気分になれる。

翌日、ブログに上げるための記録を書きながら、何となく気になっていた検波回路をもういちど見直すことを思い立った。検波のマイナス側出力が大きくクリップしてしまうことである。周辺の定数をかなり変えたが全く改善されなかった。何か基本的な誤りがあるのかもしれない。

それで、前から気になっているのがダイオードの方向である。確か印のついている側がアノードで回路図のとおりいれたら出力が全くでず。逆にしたら動いたのでそのままにしてある。ただしマイナス側はクリップする。

 回路図に誤りがあるとは考えられない。しかし方向を逆にしないと動かない。念のためWebで方向を確認する。印の付いている方がアノードであることは間違いなかった。正しい方向に入れなおしてみる。しかし、やっぱり前と同じように出力はでない(正確には最初脈流が出るが徐々に出力が電源電圧になってしまう)。

 もうひとつ気になっていることがある。オペアンプの反転入力は2段増幅の出力からカプリングコンデンサーでつながれ、直流的には負荷がない、浮いている状態である。これが良くないのかと試しに2Kばかりの抵抗で入力をグランドにつないでみた。これだった! クリップされない正常なマイナス側の脈流が出て本来の整流回路になった。正負の出力が少し不揃いだが、これまでのようなクリップした出力ではない。折り返し付近が歪んでいるのは、恐らくダイオードの順電圧降下のところだろう。750ok

 やれやれ、ダイオードの方向が逆だったのである。道理で周りの定数を変えても直らなかったわけだ。もっともローパスフィルターを通ったあとの出力は、少し平坦になっただけで殆ど変化はなかった。大勢には影響がない。しかし何となく気分が良い。ひとつひとつの部品がちゃんとその機能を発揮して動くようにしてやることが、作るものの心意気であり、喜びのひとつである。ついでに検波回路の帰還抵抗の定数を10Kから12Kにするとぴったり波形が揃った。754ok

 そろそろアナログ部はこれで心置きなく店じまいができそうである。あとはデジタルのソフトの世界が待っている。コンパレータでいきなりデジタルにするより、ADコンバータの値を見ながら間隔のスタートを判断するほうが、柔軟な操作性の良いソフトが出来るような気がする。これはこれでまた心踊る楽しい世界である。

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