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2008年9月21日 - 2008年9月27日の2件の記事

2008年9月25日 (木)

リズム音の収集はこれで完成

オペアンプの検波回路が多すぎる(9/23/08)
 秋分の日も朝から工作室にこもってオペアンプから出たリズム音のDC化に没頭していた。オペアンプの2段増幅で、デジタル化に十分な電圧が得られたので、これを直流にする検波(整流)回路を考えている。要件は簡単で打楽器、メトロノームなどのパルス音を集めるが、とりたいデータは音と音の間隔の時間だけであり、音の内容(大きさ、長さ、周波数など)はとりあえず関係ない。VUメーターのように絶対的な電圧の精度もいらない。アンプから得られた音波波形は明らかにプラス側がどこかでクリップされているが、どうせ検波して、ローパスフィルターをかけてパルスをならしてしまう予定だし、ゲインも十分なのでこれ以上の調整はやらないことにする。

 検波も半波整流で問題ないと思うが、根が凝り性なもので、最小部品で最大効果を狙ってWebの情報で色々勉強してみた。ところが、これがべらぼうに種類が多い。だいたいオペアンプというのはダイオードなど使わなくても、このあいだのDCアンプのように2つある入力の電位を変えるだけでACが整流できるのである。VUメーターの作り方を紹介しているサイトでは、ダイオードの順電圧降下分を補償する理想ダイオード回路などを使っていて(微小電圧のところまで整流できる)魅力的だが、これは全波整流するのに2つもオペアンプがいる。何となく資源を無駄遣いしているようで気が進まない。

 まあ、このへんがアマチュアの醍醐味だろう。気の済むまであれこれ自由に考えることができる。Webを漁った結果、4つばかり種類の違う検波(整流)回路が見つかった。  オペアンプに明るくないので何がどう違うのかさっぱりわからないが、結局、お手本にしたのは部品が少なく単電源でオペアンプひとつで全波整流ができる、エレキジャック(http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/07/428.html#more)の工作ページの回路である。ここのサイトは私と同じようにマイクから音を拾ってデジタル化し、メカを動かす工作を連載で掲載していてなかなか興味深い。オペアンプが私と同じLM358を使っているのも親しみが持てる。Pict0755

 ブレッドボードでこの回路を組み、2段アンプとはカプリングコンデンサーでつなぐ。ところが、プラス側は正常に出るが、マイナス側が、はるかに高い出力がでてクリップされてしまう。ちょうどコンパレータとして動いているのと同じである。前段のアンプの出力インピーダンスが低くて検波オペアンプの入力インピーダンスが下がり、増幅されてしまっているのだと思うのだが、定数の違う抵抗をいくつか入れてみても全く変化がなく直らない。749

 やれやれ、少しわかってきたとは言え、アナログは難しい。このあいだ買った「定本トランジスタ回路の設計」を精読してだいぶ理屈が分かってきて、今まで疑問だったことが少しづつ解け、霧が晴れるように見通しが良くなってきたのだが、ちょっと回路が複雑になって相関関係が出来てくると途端にわからなくなる。要するにアナログの回路設計の難しさは、デジタルと違って、厳密な解がなく(あっても解けない)近似値と近似値との折り合いなので、経験がない(無視できるところが分からない)とこの匙加減が出来なくて難儀するのだと思う。

ダイオードの方向が逆だった(9/25/08)
 全波整流回路は正しく波形が折り返せず、片側(マイナス)はコンパレーターになってしまうという不本意な整流結果とはいえ、当面のDC化は出来ている。最大電圧はピークで4V近くありマイコンのTiny861のコンパレーターやADコンバータの基準電圧2.56Vをはるかに超え、もう十分である。

 オシロのスイープを長くして(100ms以上)、メトロノームを持ち込みマイクで音を拾うと、しっか75110ufりパルスが観測できる。もう少し整形してみようと、出力に10μFと1kΩのローパスフィルターをかけて波形を見てみた(写真の最上段)。これでカットオフ周波数は16Hz (30msパルス )で、このタイミングは、このあいだのADコンバータの測定間隔30msと、オシロで見た、人が出せる最小の衝撃音(舌打ち、手を叩くのはもっと長い)から選んだのだが、これはさすがに、立ち上がりが明らかになまっており正確な時間を測れなさそうである。

 今度は、この1/10(160Hz 3ms)のフィルターにする(中段)。メトロ7521ufノームのような金属音の急激な立ち上がりにも追従し、途中の無音部もならされて比較がしやすくなっているが、途中の音の切れるところや声の周波数でレベルの下がるところがありデジタル化で間違える可能性がある。

 というので、中間の4.7μFにする(最下段)。うむ、信号の立ち上がりも早いし、あともなめらかで具合が良さそうだ。いや素晴らしい。このあいだ急ごしらえで同じような回路を作り手探りでTiny861のADコンバータに入れてUARTに結果を吐き出させたとき願った夢が目の前で実現している。信号を見ながら最適な定数を選ぶことが出来るのだ。7535uf

 少々お金がかかったが、かけただけの価値がある結果だ。何もないところを工夫と努力で何とかつくりあげるのも、ある意味で楽しいが、こうして目の前で結果を確かめながら余裕でやりたいことを仕上げていくのも、とても充実した気分になれる。

翌日、ブログに上げるための記録を書きながら、何となく気になっていた検波回路をもういちど見直すことを思い立った。検波のマイナス側出力が大きくクリップしてしまうことである。周辺の定数をかなり変えたが全く改善されなかった。何か基本的な誤りがあるのかもしれない。

それで、前から気になっているのがダイオードの方向である。確か印のついている側がアノードで回路図のとおりいれたら出力が全くでず。逆にしたら動いたのでそのままにしてある。ただしマイナス側はクリップする。

 回路図に誤りがあるとは考えられない。しかし方向を逆にしないと動かない。念のためWebで方向を確認する。印の付いている方がアノードであることは間違いなかった。正しい方向に入れなおしてみる。しかし、やっぱり前と同じように出力はでない(正確には最初脈流が出るが徐々に出力が電源電圧になってしまう)。

 もうひとつ気になっていることがある。オペアンプの反転入力は2段増幅の出力からカプリングコンデンサーでつながれ、直流的には負荷がない、浮いている状態である。これが良くないのかと試しに2Kばかりの抵抗で入力をグランドにつないでみた。これだった! クリップされない正常なマイナス側の脈流が出て本来の整流回路になった。正負の出力が少し不揃いだが、これまでのようなクリップした出力ではない。折り返し付近が歪んでいるのは、恐らくダイオードの順電圧降下のところだろう。750ok

 やれやれ、ダイオードの方向が逆だったのである。道理で周りの定数を変えても直らなかったわけだ。もっともローパスフィルターを通ったあとの出力は、少し平坦になっただけで殆ど変化はなかった。大勢には影響がない。しかし何となく気分が良い。ひとつひとつの部品がちゃんとその機能を発揮して動くようにしてやることが、作るものの心意気であり、喜びのひとつである。ついでに検波回路の帰還抵抗の定数を10Kから12Kにするとぴったり波形が揃った。754ok

 そろそろアナログ部はこれで心置きなく店じまいができそうである。あとはデジタルのソフトの世界が待っている。コンパレータでいきなりデジタルにするより、ADコンバータの値を見ながら間隔のスタートを判断するほうが、柔軟な操作性の良いソフトが出来るような気がする。これはこれでまた心踊る楽しい世界である。

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2008年9月22日 (月)

リズム音の波形が出た

想像した通りアナログは手ごわい(9/18/08)747
 ブレッドボード用に超簡易アッテネータ(10Kのボリュウムと入出力コネクタ)基板と、モニター用のステレオミニジャック基板を作って、勇躍、アンプの評価をオシロで始めたが、予想していた通りアナログの世界は底がとてつもなく深く、早くも溺れそうになっている。基礎から勉強しなおさないと、これ以上先に進むことが出来そうにない。

 秋月FGは快調に正弦波も方形波も出すし、オシロも忠実に出力波形を表示してくれる。電圧を画面上で測ることが出来るの748 で、増幅率も簡単にわかる。見ようと思えば、立ち上がりパルスの波形も60MHzの帯域があるから楽々だ。

 だがしかし、問題はこれからである。で、どう改善すれば入力波形に近い出力が得られるのかという答えは当たり前のことだが、この測定結果からは出てこない。このあいだ実験したLM358の非反転増幅も、中位点のパスコンを100μFにしたら更にハムが少なくなって10倍程度のゲインで、入力に音声(CDプレーヤー)を入れると一応音楽になるのだが、オシロで波形を見ると、これが全く目茶目茶である。正弦波は歪んでいるし、方形波はオーバーシュートやサグが出てまともな出力でない。それでは、このあいだ綺麗に増幅したトランジスタの方はどうだと言うと、これもしっかりクリッピングされてしまって、デジタルなら問題ない増幅器だがアナログでは恐らく使い物にならないアンプだ。746

しかも、モニター用のヘッドフォンをつけるとトランジスタの場合、かえって出力が入力より下がってしまう。これが何故なのか。パワートランジスタではないにしても、2SC945,2SC1815クラスのトランジスタは、ヘッドフォン位の負荷なら十分鳴らせる力はあるはずで、事実、ヘッドフォンはしっかり鳴るのだが、オシロでは1/10程度にレベルが下がってしまう。しかも入力波形までおかしくなるのだ。これが何故だかわからない。

過大な期待をオシロにかけすぎていた。まともな回路設計をいちから勉強しなおす必要があるようだ。ただ、これまでは2つの回路でしか動かしていない。別のまともなヘッドアンプも作ってみよう。そもそもは、マイクアンプとVUメーター動作のシミユレーションすれば当初の目的は果たせるのである。オシロを買って有頂天になっていたが、やっぱり原点にもどったほうが良さそうだ。

一石トランジスタアンプまで戻る(9/20/08)
 一から勉強しなおしている。アナログをやっている人には余りにも当たり前で話にならないことばかりだろうが、40年ぶりにこの世界に戻ってきたものにとっては、すべてが新鮮で珍しい。思えばトランジスタを使うのに慣れてきたとは言っても、デジタルのスイッチングでしか使っておらず、これはトランジスタを飽和状態で使うのでアナログに比べればはるかに簡単なのである。

 しかし、アナログではそうはいかない。考えてみれば入力が50mVで100倍の増幅率のアンプを作れば、出力は5Vで、電源電圧が5Vしかない回路では絶対にリニアーに増幅できるわけがない。こんな基本の基を測定中に気がつくのだからおめでたい話である。

 まあ、40年前にやっていたといっても、そのころは雑誌や参考書の回路図を頼りに見よう見真似で真空管ラジオやアンプを作っていたに過ぎず、大学で学んだ電子工学の方は完全な理論の世界で実践の世界とはかけはなれていて殆ど役に立たない。

 そこへ長年の憧れであったオシロをいきなり持ち込んだものだから話が余計ややこしくなっている。しかし、幸いなことに今は本や雑誌だけでなくWebの情報がある。なかでも「一石トランジスタ回路の設計」というページ(http://okazaki.incoming.jp/danpei2/rf/design1tr.htm)や、トランジスタ回路の基本設計法(http://www.picfun.com/parttrs.html)というページは大変わかりやすく参考になった。

最近のヘッドフォンの入力インピーダンスは数十Ωで、出力インピーダンスが数kΩのエミッタ接地のトランジスタアンプではまともにドライブできないことも知った。このあいだオペアンプでボルテージフォロワーにしたようにエミッタフォロワーの石を追加する必要がある。

 ただ、これらのページが薦めている、「定本トランジスタ回路の設計」(鈴木雅臣著)を買うかどうかは迷っている(結局、このあと買ってしまった)。 本来はマイクからの音声入力をデジタル化することが目的で始めたアナログの世界である。オペアンプなどを動かしているうちにどんどん深みにはまり、オッシロスコープまで買い込んで波形観測までできるようになった。確かに、トランジスタの電流帰還形バイアス回路の一方の抵抗を半固定抵抗で調節して、上下がクリッピングしない最適なバイアスを画面を見ながら決められるところまで行ったが、依然としてエミッタ抵抗をバイパスするコンデンサーを入れるとクリップしてしまうのにその補正はできないし、わからないことが多すぎる。

 本を買って徹底的に調べるのもやり方だが、がた老AVR研究所と名前をつけたのに本来のマイコンの開発とかけはなれた方向にどんどん行ってしまいそうで迷っている。それでも試行錯誤の上、ブレッドボード上に何とかリニアーに増幅ができるようになったトランジスタアンプが出来た。CDプレーヤーからの再生音を入れてみる。うむ、綺麗な音だ。しかしパスコンを入れると予想通り大きく音が歪む。まあ、こういうことがオシロで簡単に見られるようになっただけでも収穫と思わなければいけないのか。

 そろそろマイクからの音声をコンパレータに入れる1V程度の電圧に上げるオペアンプ2段の増幅回路とAC整流回路を作らねばなるまい。

2段のオペアンプ増幅に成功(9/22/08)
 もともとリズムメーターというしかけを作ろうとして入ったアナログの世界だが、いくら基本に帰ると言っても、エミッタ接地の一石トランジスタアンプだけに関わっていたらいつまでたっても目標に近づけない。回路設計の研究はそこそこにして、本来のマイクアンプの実現に戻ることにする。

 これまでの実験で、コンデンサーマイクの出力電圧は数mVで、数百倍のゲインがあれば、整流してもマイコンのコンパレーター入力に出来るレベルになることはわかっている。ただ、一段で数百倍のゲインをとるのは難しそうなので2段にしたいのだが、適当な回路がWebにころがっていない。単純に同じ増幅回路を重ねるだけで良いのかそれもわからない。

最近のオペアンプはDIP8ピンで2つ回路がはいっているのがポピュラーのようだし、マイクアンプあたりは一段増幅では苦しいはずで、どこかのWebページに例がありそうなのだが、見当たらないのである。思いあぐねていたとき、このあいだ買ったオペアンプの参考書で偶然2段のアンプの回路図を発見した。すぐ組んでみた。しかし動かない。オシロで調べると1段目は増幅しているが、2段目の出力が増幅されていない。しかも、オシロの波形を見てみると1段目の出力波形が歪んでまともなサインウェーブになっていない。

どうもAC増幅とDC増幅とはかなり回路図が違い、この2段の回路はDC増幅なので、この回路では駄目だと思うのだが、何しろ基礎がないものだから手も足も出ない。しかし波形を見ているうちに、これが半波整流の波形とそっくりだということに気が付いた。回路には、参考書にはないコンデンサーマイクの直流印加を遮断するためカップリングコンデンサーを入れ、AC増幅らしくしている。あああ、わかった。オペアンプの入力の片側を接地していてはだめなのだ。ACの下側(マイナス側)も増幅するために、比較する入力は0ではなく電源電圧の半分にする必要がある。AC増幅回路に必ずついている同じ抵抗2つで分圧している意味をここで始めて理解できた。馬鹿な話である。

 参考書の2段増幅回路はDC増幅回路で、反転増幅2つで構成されている。2段目で半波整流のマイナス側を増幅していても出力がでてくるわけがない。分かって見ると2つとも極く当たり前のことだけど、知らないということは恐ろしい。あわてて初段に作った中位電位を2段目にも供給し、念のためカップリングコンデンサーをつけて試してみる。

 でた。マイクで拾った音が2段目に出力に現れる。大声を出すのをやめてこのあいだ作った秋月FGのオーディオ出力をありあわせのPCのスピーカーアンプで音に出し、この音をマイクで受けてみる。そんなに大きな音でなくとも、オシロで測った電圧は0.8V(実効値)まで上がる。P-Pでは2V近くになる。波形も崩れていない。Photo

 やれやれ、やっとのことでブレッドボード上の2段アンプが動いた。オシロの操作に慣れてきたので、スイープを長くし、トリガーをワンショットにしてマイクの前で手を叩いてみる。 出ました、出ました。きれいなパルス状の音声波形が記録された。これ、これ、オシロで見たかった画像である。「あ」とか「あー」とか家内を驚かせない程度の大きさで声を入れてみる。ちゃんとそれらしい波形が出てくる。いや嬉しい。プラス側が少しクリップされているが、1V以上ある。これを検波してローパスフィルターをかければ、立派なデジタルパルスになりそうだ。そうか、アナログ的な処理をしないでも、検波した後、ADコンバータに入れ、チャタリング抑止のときのようにソフトで処理する方法もある。とにかくリズム音を拾ってデジタル化する道筋が通った。

 次は、オペアンプの整流回路とバッファー回路を作ることである。そろそろ実装のことを考える段階に進んだようだ。電源は3V以内にしたいが、アナログのところが心配だ。

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