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2009年10月 9日 (金)

リニアーPCMプレーヤー2号機ついに完成

プリント基板なのに動かない(10/7/09)
 Xbee子機のブレッドボードでのテストが一段落したので、本来のOlimexに発注したプリント基板、リニアーPCMプレーヤーの実装を始めた。主要な部品が納まるかどうかは既に確認してあるので、あとはパーツをハンダ付けするだけである。

 ハンダ付けだけなので、進行が早い。定石どおり、チップコンデンサー、DACチップなどの表面実装部品をまず最初にハンダ付けする。これがすめば、あとはDIP部品ばかりなので順番に余り気を使う必要がなくなる。これは楽だ。手配線の手間に較べたら雲泥の差だ。まるでプラモデルのように、どんどん捗る。

 リチウム充電の部分が先に組みあがったので、バッテリーをつけて最初の通電テスト。おお、LEDが点いて充電が始まった。いいぞ。誤配線はないようだ(当たり前か)。残りのハンダ付けを急ぐ。

 おやあ、レギュレーターにつける100μFの電解コンデンサーの背が高すぎるのではないか。オーディオ用の100μFより高い。ケースの余裕は、このオーディオ用がぎりぎりのはずだ。やっぱりそうだ。これではケースに当たってしまう。いやあ困った。スペックによれば、33μFくらいでも良さそうなのだが、手頃な背の低いやつが手持ちにない。残念、一気に組み上げようと思ったが、部品不足で止まってしまった。

 次の日の仕事の帰り、秋葉によって部品を調達し、台風の去った8日、残りの実装を一気に進めた。ケースの工作はまだ終わっていないが、基板部はすべて完成した。手に持って完成の余韻を楽しむ。1号機の半分近い大きさだ。手の中に入る。Aa092324

 それにしてもよくここまで来たものだ。3ヶ月前、EAGLEを始めた頃は本当にこれでプリント基板が出来るのか、余りの道の遠さに途方に暮れたときもあったが、今、そのプリント基板の完成品はここに存在し、電源が入れられるのを待っている。満足感で暫く感慨にふける。

 さて、いよいよ通電テストである。いつもの緊張の一瞬である。果たして動くのかどうか。手配線に較べれば動く確率は遥かに高いが、それでも動くまでは安心できない。祈る気持ちで電源ON。おお、LCDにおなじみのスタート画面が出た。良いぞ。SDカードを入れて演奏ボタンを押す。

 おやあ、音がしない。ボリュムを上げても何の変化もない。LCDは動いているのでCPUは問題なく動いているようだ。それで音が出ないのはアナログか。しかし、プリント基板である。誤配線は考えられない。ハンダブリッジなど実装の時の失敗の公算が強い。

 ブリッジしていそうなところを隈なくルーペで探す。特に何もない。フラックス残滓が残って怪しいところをクリーナーできれいにしたりするが何の効果もなし。さきほどまでの元気はどこへやら、いきなり奈落の底に落ちた気分である。やれやれ。何が悪いんだろう。大げさな言い方になるが、人生が暗い(典型的な躁鬱質である)。

やっぱり間違えていた(10/8/09)

 まあ、これでそのままにならないところが躁鬱質である。気を取り直してトラブルシューティングを始める。まずどうやって原因究明していくか、気分を落ち着かせてじっくり方策を考える。当研究所にはオシロがある。こういうときのためのオシロだ。これで、それぞれのピンを見ていけば、どこが悪いかわかるはずだ。少なくともLCDの表示が出てデジタル部は完全に動いている。アナログの部分から見ていこう。

 まず、オペアンプの出力を調べる。何も出ていない。入力は、これも駄目。DACの出力は、これもゼロ。それではDACのデジタル入力は?あれえ、ちゃんとCPUからデジタル出力がある。そうかDACが動いていない。DACのBU9480Fが死んだか?クロックはどうだ。あっあっあ、BCLKが出ていない。ベースクロックが出ていなければDACは動かない。DACが原因ではない。

 ちょっと待て、BCLKは何でこんなCPUのピンから出ているのだ?あわてて元のAVRstudioのソースを確認する。何と馬鹿なことだ。DACのBCLKはSPIのマスタークロックが供給源のはずなのに全然別のピンから貰っている。これはどうしたことだ。うひゃあ、SPIのマスタークロックはもうひとつのクロックLRCKにつながっている。とんでもない間違いだ。BCLKとLRCKを取り違えている。

 あーあ、やってしまった。あれだけチェックしたのにどうして間違えたのだろう。やっぱりバグが残っていた。回路図から間違えている。EAGLEは間違えたとおりにボードを設計し、Olimexは忠実に基板を作ってくれた。

 よし、これが原因だ。これを直せば動くはずだ。希望の火が点った。こうなると俄然やる気が出てくる。配線図、ボード図を見ながら、一番良いジャンパー配線をあれこれ考える。LRCKの結線はビアを使っていたので、その前でパタンを切り、ビアとBCLKのCPUピンに直接UEW線でつなぐ。LRCKは、そのパタンのレジストをはがし、そこへ結線する。うまくいったぞ。Photo

 再度、通電テスト。演奏ボタンを押す。ああ、良かった。音が出た。嬉しい。ケースの工作が残っているが、2号機の完成だ。手のひらにすっぽり入る大きさで、CD音質の音楽が聴ける。市販の携帯プレーヤーはこの大きさだと今は動画が出るレベルで問題にならないけれど、いずれはあのSTM32Primerで作ってやる(いけない。封印してあるのに)。

ケースは作り直し、EAGLEのライブラリを公開(10/9/09)

 残るはケースの工作である。ソフトパワースイッチはスペースがないので諦め(SDカードとLCDの電源制御が必要)、電源用の定番のスライドスイッチを基板の下側のスペースにいれ、タクトスイッチや、ボリューム、フォンジャックなどの穴を空ける。Aa092321

 アクリルの穴あけは簡単だ。ルーターで凡そのサイズを切ってから、ナイフ、やすりで整形する。タクトスイッチの穴が結構難しい。正確な位置決めが難しいので小さめの穴をあけてナイフで広げていく。あ、いけない。仕上げのやすりをかけているとき誤って先端を外に滑らしアクリル面に傷がついてしまった。あーあ、いつもこれである。最後の最後で完成をあせって何か失敗をする。試作版とあって養生テープも張っていない。

 出来上がったので、セットしてみる。傷をつけた面は、自分の横着をあざ笑うかのように、LCDの表示面だ。やれやれ、折角の製品が台無しだ。何とも心が晴れない。どうせ娘に渡す機械だ。少々傷がついていても構わないようなものだが、そこは、それ職人の良心というものがある。

 一晩迷ったが、結局、上蓋だけでも作り直すことにした。このケースは予備を含めて沢山買ってある。何しろ¥100である。次の日、今度は養生テープをしっかり張り、切り欠き位置をきっちり測り直して、作業開始である。お手本があるので穴あけは簡単に済んだ。つけてみる。おお、新しいので蓋のストッパーもしっかり入り、見違えるようにLCDが綺麗に見える。上々の出来だ。これなら自信を持って人に渡せる。

 リニアーPCMプレーヤー2号機は、これで1台目が出来てプロジェクトは一段落した。ヒロセのSDカードスロット(DM1AA-SF 千石で¥210)、千石で売っている平型の2連ボリュウム(型番不明)のEAGLEライブラリーも自信を持って公開できる。Aa092325

 ステレオフォンジャックについては、もういちど部品エディターで確認してみたら、似てはいるけれど各ピンの位置がすべて微妙に違っていることがわかった。これを現物に合わせることはそう簡単ではない。ソースコードも、ミニLCD用にアイコンを追加した修正版を計画中で、これの完成に併せて、2号機のEAGLEボードファイルと一緒に公開することにする。

ここに、EAGLEの部品ライブラリーファイル Gataro_parts.lbrを置きます。ヒロセのSDカードスロットと、2連ボリュ-ム(DBL_POT)の2つの部品がはいっています。使う時は、schematic(回路)エディターで、library -> use.. で、このライブラリを開き、ADDコマンドから、上記部品を選んでください

確認の遅れていたステレオフォンジャック(秋月等で入手可能)のライブラリを追加しました。下のlbrファイルは3つの部品が入っています。

「Gataro_parts.lbr」をダウンロード

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コメント

どうも御回答有り難う御座います。回路図の公開を待ちたいと思います。tiny85で8bitでの再生器は作って見たのですが(人様の考えた物です)ノイズが気になりますので16bitに興味が有ります。自分でプログラムが作れればいいのですが、スキルが無く出来ません。
楽しみに待ちます。

投稿: ラジオ少年 | 2009年10月14日 (水) 18時51分

興味を持っていただきありがとうございます。この2号機(ミニLCDを使ったもの)の回路図はまだ公開しておりません。以前の試作機の回路図をご覧になっているものと思います。EAGLEの基板ファイルと一緒に間もなく回路図(EAGLEファイル .sch)で公開する予定です。少しお待ち下さい。

音量調整は、オペアンプの出力側でやっています。何故か、入力側では安物の2連ボリュウムのせいか、すごいノイズが出て使い物になりませんでした(恐らくカップリングコンデンサーで直流を切る必要があるのかもしれません)。

LT1144とLTC1144は同じものです。秋月のシートには古い説明では前者、最近のは後者になっているようです。チップの上にはLTC1144の表記があります(2号機にはこのDC-DCコンバーターは不要です)

投稿: がた老 | 2009年10月14日 (水) 15時46分

興味深く読ませて頂きました。私も作って見ようかと考えています。回路図でちょっと質問、ヘッドホン出力音量調整ボリウムが見あたらない様ですが?
(2連VRを使うことになるのかな?)
多分、OPアンプの入力側に付けることになると思いますが、如何でしょう。
もう一つ、LT1144はLTC1144でOKでしょうか?
よろしくお願い致します。

投稿: ラジオ少年 | 2009年10月14日 (水) 13時28分

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