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2009年11月14日 (土)

Xbee電力ロガーで台所の電力消費を測る

Photo 珍しい学園祭を見る機会があって横須賀まで足を伸ばした。防衛大学校の開校祭である。学生の観閲行進の上空を先輩がパイロットをしているブルーインパルスが飛び、ヘリからパラシュートで空挺隊員が校庭に到着する。午後からは、救急車の待機する評判の棒倒し競技が行われ、学生たちがチームに分かれて豪快な肉弾戦を展開する。日頃、電子工作という趣味にはまって、自己完結型の予定調和の世界にいる者にとっては、想像もつかない強烈な刺激である。理屈ぬきに面白かった。Photo_2

LPCMプレーヤー2台目以降の制作(11/07/09)
 そんなこともあって、電子工作はちょっと一休みである。XbeeロガーもSDカードへのデータ書き込みが無事成功して少し気が抜けた。それでも細かい工作を少しづつやっている。LPCMプレーヤー2号機は予定の3台が無事完成して、それぞれの嫁入り先に旅立って行った。花嫁の父親の気分である。請われて行ったのだから喜ばなければならないのだが、やはり寂しさが残る。まだ受注残が3台ある。プリント基板をまた4台発注して1台は自分に残しておこうか。

 プリント基板の部品の半田付けは2時間で出来る。無機質の部品を集めて命あるものに換える喜びをこれだけでも十分味わえる。この世界の創造主は自分である。何度作っても興奮する。ただ、半田付けは楽で良いのだが、問題は電池基板の制作とバネの固定だ。接点バネが十分に電池接点に当たるよう入念に固定しないと、ケースを強く押さえたりしたとき接触不良を起こす。幸い今度の版は充電機能をつけたので、電池の着脱を殆どしないですむのだが、もう少し弾性の強い接点バネ(燐青銅線)が欲しいところだ。

 次の版のプリント基板を考えようと久しぶりにEAGLEを開いて整理しているうち、この前の公開直前に発生したEAGLEの不具合の原因がわかった。オペアンプが2台出現してどうしても消せなかったのだが、EAGLEの不具合ではなく、自分のオペミスであることがわかった。前のオペアンプを削除したとき、一緒に電源線を消去していなかったのでパッケージとして残っていたのである。EAGLEさんごめんなさい。

 前の電源線を消去し、新たに電源線を定義して、ボードファイルは完全になった。次の版はベタアースに挑戦してみようかと考えている。実は前の版でも、ブログでコメントを貰って少しやりかけたのだが、アナログとデジタルの分離がうまく行かず断念した。まあ、今のままでも特にノイズなどの不具合はなく、線が混み合っているのでベタアースの効果はあまりないかもしれない。

Xbeeは雑音に弱い(11/09/09)
 Xbeeの電力ロガーの方である。ログをとる親機はバラックのままで実装が何も進んでいないが、それでも、少しづつセンサーの子機を外に出して、家庭内の電気機器の測定を始めている。

 色々な場所に置いているうち、子機をワイヤレス電話機の充電機の横に置くと交信不能になることがわかった。ちょっと離せばOKになる。これはどうしたことだ。子機は送信するだけなのに雑音源の近くで交信不能になるのは解せない。APIフレーム受信の親機からのACKを子機が受け取れないのかも知れない。Xbeeは結構ノイズに気を遣う必要がありそうだ。

 TVの待機電力がどの程度か調べようと、シ○○プの液晶TVを測ってみた。動作時は150W程度、待機にしても何と50W以上消費している。時間が経てば下がるのかと10分以上そのままにしたが変わらない。それでは主電源を切ってみた。えー、変わらない。これは大変だ。コンセントから電源コードを抜いたら、「カチッ」というリレーの音とともに、電力は殆ど0になった。このTVはもう4年近く使っている。恐らく故障だと思うが、えらいものを発見してしまった。

 この現象は、SDカード書き込みが出来る前に発見し、とんでもない話だと思っていたが、SDカードに書き込ませた結果、待機モードになってから30分後、電力が0になることが判明した。後処理と冷却に時間をかけているらしい。それにしても人騒がせなTVだ。Ab132433

Xbee子機(センサー)のケース実装と冷蔵庫の測定(11/12/09)
 TVの消費電力を測っていた子機の仮のケースは、LPCMプレーヤー1号機に使ったこれまた秋月で¥100のプラスティックケースである。防滴仕様にするつもりなので、一応スイッチ、コネクタはすべてパネル固定にし、ケースは密閉する必要がある。ただ、Xbeeの電波が心配だ。このあいだケースに入れて電波が出ることを確かめているが、プラスティックといえども減衰はするはずだ。実際に場所を替えて調べてみた。全く変わらない。まあ、この周波数帯では殆ど無視できる量のようだ。

 久しぶりに秋葉原に出て、パネル付けの部品を調達する。CTセンサーのコネクタとコードは、DCアダプターのものを流用する。出力はmVオーダーだが少々ケーブルを延ばしても影響はなかった。ケースは、結局、このあいだのLPCMプレーヤー2号機で傷が付いてとりかえたケースを再利用することにした。既に上部に3つも穴が空いているので防滴にならないが、そのうち2つにスイッチとコネクターを付ける。もうひとつの穴は、LEDにするか、蓋をしてやるつもりだ。Ab132431

 出来上がったので、冷蔵庫の電力測定にとりかかる。四六時中動かしている電気機器の中の最大の大物であることが最初に選んだ理由である。最初、冷蔵庫単独で測ろうと思ったが、コンセントが奥にあって簡単に引き出すことが出来ない。仕方がないので、分電盤の台所のブレーカーで測ることにした。ケースが小さいのでセンサーは棚の隅に簡単に置くことが出来る。

Ab132432  ワイヤレスなので機器のセットアップに気を遣う必要がない。電源を入れるだけである。あとは10秒に一回データを親機に送り出す。子機の電源はリチウムバッテリーで1回の充電で連続300時間以上(10秒に1回、消費電流50mAで600ms稼動)、測定できるはずで、電源の入り切りも鷹揚になる。夜の10時ごろから次の日の午前11時ごろまで動かして、150Kバイトほどのファイルが無事にSDカードに出来た。これをPCに持ち込み、グラフにした結果は、図の通りである。

 ロガーで集めたデータをこのグラフにするのは至極簡単である。X軸を時分表示にするのにはもうちょっと手間がかかるが、項目数だけならExcelのファイル読み込みで、ファイル形式をテキストファイルにし、項目区切りを「スペース」にして取り込み、グラフにする列を選ぶだけである。この程度のグラフならあっというまに完成する。いや便利な時代になったものだ。Ws000000

 意外なことが、このグラフで判明した。まず2本の突出した短時間の高電力消費は、電子レンジ(夜が私の夜食、朝は娘の朝食)なのだが、分電盤には、電子レンジ専用のブレーカーがあるのに、そのコンセントを使っていないと言うことが始めてこれでわかった。 それに、室温20度近くでは、冷蔵庫は80%近く動きっぱなしになっていること、また、食洗機が夜11時頃動いているが、予想したほどの電力消費ではないこと(100W程度、300Wは使うと思っていた)、さらに、深夜に電力が0にならないのは、ガスオーブンの時刻表示で、これだけでも10W以上を消費していることなどである。

 いや、これは面白い。たった12時間の測定で色々なことがわかった。これは楽しみになってきた。親機を本格的に実装すれば、実用としてかなり使えそうである。

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