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2010年1月24日 - 2010年1月30日の1件の記事

2010年1月27日 (水)

量産を目指したリニアPCMプレーヤー3号機完成

 Olimexに8枚も基板を発注して量産を目指しているSDカードを使ったリニアPCMプレーA1272647 ヤー(3号機)の1台目が遂に完成した。途中致命的な誤りを見つけて肝を冷やしたが、何とか想定どおりに実装が済んで動き出した。素直に嬉しい。ま、プロジェクトというものは必ずどこかで思わぬ障害にぶつかるもので、これを乗り越えてゴールに辿りつくからこそ、大きな感激になるというものだ。まあ今度もその顛末(てんまつ)を聞いてください。

1号機もハードでDACをドライブする(1/20/10)
 Olimexからfax received(FAX届いたよ)の2語メールが来て1週間後、1/15に例のshipped(出荷したよ)の1語メールが来た。いつもより遅い。発送から到着までは、前回の例や、ウェブなどを見ていると、航空便なのに12日から2週間ぐらいかかる。基板の到着は、今月末になりそうだ。時間があるので、ジッターのないDAC再生にもう少しこだわってみた。

 DACのデータ送り出しのタイミング(LRのトグル)をソフトでなく、タイマーのハードで制御することで、仕様上のジッターを0にする(勿論、水晶発振子のジッターは残るが)ことが出来るようになったのは、前回の記事のとおりだが、パラレルのLCDを使っている1号機には適用していない。

 このプレーヤーは自分がいつも持ち歩いており、音に慣れている。こいつを直すと、もしかしたら音が変わったことが分かるかも知れない。ブレッドボード上のプレーヤーはコンデンサーが違うし、配線が長いためか時々小さいビートが入ったりしてリファレンスにならない。

 変更はブレッドボードのようにジャンパー1本というわけにはいかない。久しぶりにねじ止めした基板をはずし、半田ごてでピンの位置を替える。パラレルのLCDの制御線とぶつかったが、このLCDのドライバーは以前、自由にピンを選べるようにした自信作である。ヘッダーファイルの変更だけで簡単に位置をずらせた。ソフトはこうあらねばと上機嫌で作業する。

 何事もなくファームの書き換えもすみ、1号機の改修は終わった。音を聞いてみる。正直なところ前と変わらない。しかし、何となく音が静かな感じがする。もちろん気のせいでしかないが、昔々、4~5万クラスの安物のCDプレーヤーから20万近い高級CDプレーヤーに替えたときに少し似ている。このときも始めは「おとなしい音になった」という印象があった。前のプレーヤーの賑やかな音に較べると派手さに欠けた。しかし、音の情報量、定位、解像度は格段に上がっていることが聞き込んで納得できた。

 今度も、何か、そんな気がする。落ち着いて音を聞いていられる。オーディオの怖さは、思い込みで聞いている音が変わるところで、ジッターがなくなったというだけでこれだけ音が違うように感じるのだから人間の思い込みというのは怖いものである。気のせいに違いないが、もしかしたら本当に音が変わっているのかもしれない。

Olimexの基板が予想より1週間早く着いた(1/22/10)
 基板が来るまで、まだ日にちがあるので、CDケースの角を利用した電池フォルダーをぼちぼち作り始めた。何しろ受注残は8台である。このあいだ買ったサーキュラーソー(丸鋸盤)が大活躍である。細刃は予想通り、きれいにプラスチックを切り出し、面白いようにフォルダーが出来ていった。A1232617

 ところがshippedのメールが来てからわずか1週間で、Olimexから基板が書き留めで届いてしまった。嬉しい誤算である。早速、梱包を解く。8枚の基板が何重にもラップにくるまれて出てきた。いやいや、これから忙しくなるぞ。

 今度の懸案は、新しいフォンジャックである。とるものもとりあえず沢山買って来てある現物をつけてみる。うーむ、A1272638 入らん。いや、端子がカーブしているからだ。ペンチで少し戻して慎重に入れていく。よーし、入った。位置決め用のホールもピッタリだ。

 他はすべて前の部品なので今度の基板はこれで大丈夫だ。組み立てに必要なリソースはすべて揃った。残る懸案は、これが予定したとおりケースに収まるかどうかである。

やっぱり間違えていた(1/23/10)
 早速、組み立てにかかる。今度の基板は、表裏をひっくりかえし、LCDパネルのある表側はハンダ面である。電池フォルダーを新設したので高さを確保するためだ。ケースがスケルトンなのにハンダ面が上に来て、折角のパーツが表から見えなくなって少しさびしいが、これまでの、ケースに電池接点基板を接着剤で固定する方法は、位置決め、接着の確認に時間がかかる上、とても神経を遣う。プレーヤーの量産のためには眼をつぶるしかない。それに高さが生まれたので低音増強のための200μFの大型パスコンが入れられる。

 例によって表面実装部品からハンダ付けしていく。LCDは裏側につくのでピンの位置も逆になっている。タクトスイッチも逆だが、これは左右対称なのでスイッチの順番を変えただけで問題ない。充電中を表示するLEDもハンダ面につける。

 LCDをつけようとピンを確認した時、とんでもない誤りに気がついた。裏につけるためLCDのピンアサインは逆にしたが、ピンヘッダーの位置は替えていない。あ、あ、もしかしてLCDの位置がおかしいか。LCDモジュールのピン位置は基板に対して左右対称でない。うはあ、いけない。逆につけられたLCDはケースから横にはみ出してしまった。

 発注する前から、基板を裏返しにした時の対応に何か抜けているのがあるかどうかどうも不安だった。その不安は的中した。これではケースに入らない。同じ基板が8枚もある。頭から血が引いていく。これからどうしたら良いか。

 気を取り直して、状況を調べる。はみ出した幅は、数ミリだ。幸い、液晶部分までは行っていない。LCDの基板部分を切り取れば入るかもしれない。おおお、はみ出ている部分は、このLCDモジュールで使っていないバックライトの配線部分だ。何やら横にチップ抵抗が乗っているが、そもそもバックライトがないのでこれを切り取っても本体に影響しない。

 しかも、サーキュラーソーを買ったので、基板を数ミリ幅で切り出すことはそう難しくない。これはなんとかなりそうだぞ。粉がかからないように液晶面をビニールでラップし、慎重にセットする。刃は基板切り出し用のダイヤモンド研磨刃である。A1272640

 見事に切れた。あっというまの作業である。液晶部分についた削り粉を刷毛で慎重に除去する。切り口もきれいで、何の問題もない。基板につけてみる。問題なくケースに入る。良かった、良かった。勢い込んで、手持ちのLCD全部を一緒に切り取る。

 いやいや俺もついている男である。液晶が載っている基板の横を数ミリ幅で切り取るなど、手でやることはほぼ不可能に近い。やすりで根気良く削れば出来るかもしれないが、削っているうちに部品を壊してしまう恐れが強い。サーキュラーソーを買っておいて本当に良かった。

何事もなく動いた(1/25/10)
 プリント基板のハンダ付けはいつもながら楽しい。プラモデルのように眼に見えて形になっていくのでつい夢中になる。新基板の3 号機は日曜半日の作業で完成した。ケースの加工をミニルーターで手早くすませてケースに入れてみる。これまで使っていたタクトスイッチの背が高すぎるのでこれは買い直す必要があるが、あとは順調だ。LRCKのジャンパーは最初に済ませてある。A1272641

 待ちきれなくなって、スイッチ部分も仮配線し、通電する。よーし、音が出た。あれ、ボリュームが逆だ。いけない。またここにもバグがあった。配線図を見たが、このボリュームは逆配線が出来ないことがわかった(2連抵抗の一方がコモンになっている)。このボリュームは部品面におかないと通常の左->小、右->大の状態にはならない。これは今さら無理だ。まあ、それほど致命的なミスではない。

 A1272644仕事の帰り、久しぶりに秋葉の千石によって適当な高さのタクトスイッチを調達する。ついでに秋月で、不足している3.3Vのレギュレーターを補充した。今度のプレーヤーは50mA程度しか消費しない。秋月で新しく出た、150mAの低ドロップ型のレギュレーターをこの先の量産用に入手した。いつもの500mAに較べれば半額だ。

 帰宅して最後の作業である。化粧面のタクトスイッチの穴 は用心して小さい穴をまず明けておき、カッターで広げる。このあたりの穴が不揃いだとA1272643みっともないものだ。ぴったりの穴が空いた。養生のテープをはがして、LCDの保護フィルムもとり、すべてを組み立てて、試聴する。至福の時間だ。ハンダ面のスケルトンも、まあこれはこれで趣のある感じがする。

 1台目が完成して、残りの生産の見通しが立った。2号機のような作業面での難しさはない。単純な作業の組み合わせで出来るはずである。そろそろ別のプロジェクトを立てる余裕が出てきた。やっぱり次は フォトフレームかなあ。しかし、先日、秋葉で\2000で5インチのA1272635液晶フォトフレームが安売りされているのを発見して少しがっくりしているところだ。

ここに、ハードでLRCKをトグルするバージョンV41のソースコードと、EAGLEの基板、回路ファイルをzipにかためたものを置きます。EAGLEのファイルは、上記の問題を解決したデータになっていますが、動作確認はしておりません。そのおつもりでお使いください。また、ソースコードはAVRstudioの形で、プロジェクトファイル名が前と変わっていないので注意してください。

(2011/2/12) WMPで作成したWAVファイルも再生するバージョンをV42として置きます。

***ご注意*** 以下のV41,V42版は、LRがpauseや再生中止のあと逆転するバグがあります。最近の記事にアップロードしたV43をお使い下さい(3/17/2013)

「mLPCM328V41.zip」をダウンロード

「mLPCM328V42.zip」をダウンロード

要望があったので、パラレルLCDを使った1号機のソースコードを下に置きます。形式はこれまでと同じAVRstudioのプロジェクトファイルです(2/6/10)。 下のV42も上のV42と同じです。

「SDPCM328V41.zip」をダウンロード

「SDPCM328V42.zip」をダウンロード

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