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2011年10月の2件の記事

2011年10月20日 (木)

やっと出来た。ガイガーカウンター2号機の回路図・ソース公開

 ソフトパワースイッチを使ったCHANEYキットのガイガーカウンター2号機がやっとのことで完成した。思った通りソフトパワースイッチの電源制御が手間取り、GM管(SBM-20)の不安もあって、着手からここまでほぼ2ヶ月近くかかってしまった。

 GM管の問題が完全に解決したわけではないが、とりあえずは安定して測定が出来るようになった。ひと区切りがついたので、ソースコードと回路図を公開することにする。

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ツェナーダイオードは効果があった(10/11/2011)
 大苦労の末CHANEYのガイガーカウンター2号機は、何とか共通のひとつの電源で動き始めた。少し余裕が出来たので、ガイガーカウンターの高圧部をもう少し改善することにした。

 CHANEYの高圧回路は、GM管の寿命を考慮して改造してあるが(バイアス抵抗100K->10M、平滑コンデンサー470pF追加)、電圧をデジタル電圧計(秋月DVMキット)で測ると500Vもある。ガイガー管SBM-20の推奨電圧(400V)をはるかに超えている。このまま使っていくのは不安である。

 時間とともにパルスカウント(CPM)が上がってしまう問題は、オリジナルの回路の390V近辺でも起きることが確認されているので、電圧を下げたからと言って、この問題を解決できるか余り期待は持てないのだが、ものは試しである。やってみなければわからない。

 これには、180Vのツェナーダイオードを2つ使って電圧を下げる。この電圧のツェナーダイオードは鈴商で入手した。鈴商は高圧関係のコンデンサーや、インダクターの種類が多く、このところ頻繁に訪れている。最近は通販もしているようだ。

S_pa204305 例によって、小さな基板をキットの基板の上にリード線を使って固定し、ここにダイオードと負荷抵抗(100KΩ)、ついでに直付けしていた平滑コンデンサーを載せる。なかなかうまくいった。こういう小さな基板の加工は、サーキュラソーでなく糸鋸(コッピングソー)だと、もっと楽に綺麗にできるのだがなあと思いながら、ミニルーターで凹部を少しづつ削って整形する(いずれ買うぞ)。

 テストする。電圧は正確にぴったり360Vを指した。おお、この電圧計(秋月DVM)もたいしたものだ。検知パルスも問題なく出ている(350~420Vがプラトー電圧)。2時間測ってみた。ふーむ、全く安定している。これは良いぞ。このままで新たな対策(外部クェンチ回路など)は考えなくても良いか。

S_pa204299 しかし、日を替えてテストしてみると同じ管でも、一定にはならず1時間程度で倍に上がってしまう。ケースの中に入れるのと外では大分様子が違うようだ。ガンマー線あたりは問題ないが、SBM-20はベータ線も感知する。それが影響しているのかもしれない。いずれにしても360Vにしたことで、全て大丈夫になったわけではなさそうだ。

電源は共通になったけれど問題山積(10/12/2011)
 ガイガー管はさておき、本体の実装の方である。仮配線を正式に直し、ケースに入れる前に念のため動作テストをしてみた。ややや、(1)UARTをつながないと動かなくなる。しかも、(2)待機時の電流があろうことか、mA以上だ。4.3mAもある。これでは使い物にならない。共通電源にするときに何かいじったのか。ペリフェラルの電源線をはずしてみたが変わらない。これはおかしい。CPUがパワーダウンモードにならなくなったのか。

 (1)UARTの方はもっと不審だ。今までAVRでデバッグ用のUARTを残して本番時に動かなくなったことは一度もない。それなのにUARTを端末につながないとLCDにオープニングメッセージが出なくなる。そして暫くすると動き出すが、LCDの表示が極端に遅くなる。この遅くなると言うこと自体が良く理解できない。困った。こいつはデバッグができない。別の出力ルーチンが要る。

 ところが、この不具合はI/Oポートをいじっているうちに、いつのまにか解決してしまった。面白くない。いつのまにか直るというのは、またいつのまにか起きるということだ。後味の悪い解決である。しかし、こればっかりに関わっているわけにも行かない。先に進もう。

 (2)の待機時の消費電流が増えてしまう不具合には参った。4.3mAでは使い物にならない。ブレッドボードから、こちらに移動しただけで何もいじっていない。ハードかと思って、ペリフェラルの電源線をはずすが同じだった。プルアップ抵抗もすべてはずすが、何の影響もない。ポートの初期設定で、6mAになったり、8mAになったりするので、やっぱりハードでなくソフトを疑う。

 I/Oポートのピンひとつひとつの初期設定をしらみつぶしに変えてファームを作り直しテストする。しかし改善の兆しはない。パワーダウンモードになっていないのかと、アイドルモードにして止めてみると、スペック通りに待機電流が増加する。スリープモードの手違いでもなさそうだ。

 だいたい、前に測って10μAだったときと大きく変わったところはない。替えたところはすべて元に戻してテストしてみた。それでもおかしなところは見つからない。犯人追跡の手がかりがどうにも見つからない。

やっと犯人を捕まえた(10/15/201)
 ここ数日、悩んでいた問題がやっと解決した。パワーダウンモードの待機電流が想定の数十倍になる不具合である。わかってしまえば、これも何ということはない、ごく当たり前のことだったが、つきとめるまでにえらい時間がかかってしまった。

 至るところの接続を半田ごてではずしまくり、I/Oポートの設定を換え、sleepモードをいじる。考えられる限りの対策をしてみたが、どうしても下がらない。ポートの初期化の状態で、すぐ数ミリAが流れているので、I/Oポートの設定が原因だと思うが究明できない。

 そのうち、UARTをはずすと、電源ディップが復活していきなりリセットに戻ったり、わけのわからない状態になった。頭を少し冷やして状況を整理してみることにした。まずすべてを疑って基本的なところから調べる。

 そう言えば、まだ確認していないユニットが残っていた。過放電を防止するリセット回路である。リセットICがおかしくなった? そんな馬鹿な。これが壊れる可能性は極めて薄い。これが壊れるのは最大定格6V以上をかけたときだけである。

 そんなわけはないとは思うが、もう調べるところはここしか残っていない。半田ごてを持ち出してリセットICを電源から切り離す。おおおー、こいつだった。これまでどうしても下がらなかった電流が、パワーダウンモードの10μA以下に下がった。やれやれ。 

 テスターをマイクロアンペアのレンジにして測ると、0.6μAだ。このデバッグの最中に、WDT(ウォッチドッグタイマー)を止めるステートメント、 wdt_disable(); (ライブラリ<avr/wdt.h>をinclude)を入れてあったので、以前の10μAよりさらに1/10以上下がった。スペック通りだ。いやあ、嬉しい。リセットICが原因だった。思わずガッツポーズが出る。

 喜び勇んでリセットICを取り替える。ありゃあ、電流が変わらない。相変わらず4mAが流れる。何い、リセットIC不良ではないのか。とするとリセットICがドライブしているFETが悪いのか。だいたい、何故こいつらが不良になるのか思い当たる節がない。ただリセットICを通じて電流が流れていることは確かだ。

 FETを取り替えた。これでリセットICはスペックどおり20μAの消費電流で正常になった。そうか、段々わかってきたぞ。このFET(2N7002K)の最大電流は200mAで、こんどのガイガーカウンターは電圧が下がってくるとDC-DCコンバーターなので70mA以上消費する。

 最大瞬間電流は、2Aだけど、もしかすると突入電流がこれを越えて壊したのかもしれない。他に考えられるのは、リセットの原因を調べるため、FETの入力と出力を(ドレインとソース)をショートさせてテストしたことがある。信じられないけれど、これで壊れることもあるのかもしれない。

 リセットICはリセットをした状態のまま動いていて、FETのゲートを通じて電流が流れていたのだろう。とにかく、ここのFETはもう少し大きな電流に耐えるものに換えたほうが良いかもしれない。

 その後、LCDの制御線(Enable)の一本のハンダ付けがとれているところを見つけた。LCDが表示されなかったり、異常に遅かった理由はこいつが犯人だった。これらを修復して、ガイガーカウンター2号機は、やっと安定して動くようになった。ソフトパワースイッチも好調である。

管を替えて長期測定。ケースに入れると増えない?深まる謎(10/17/2011)
 高圧部の方である。ツェナーを使って電圧が安定したので、手持ちのGM管を少し長時間動かして状況を見ることにした。3つのGM管すべてを2時間づつ動かして、驚くべき事実が明らかになった。

2 結果から先に言えば、3本とも、全く問題なく一定の環境放射線量を記録した。ガス漏れかと疑った最初の管も問題ない。ただし3本ともすべてケースの中に入れての測定である。

 SBM-20はガンマー線だけでなく、ベータ線を感知できるということで、ベータ線は、プラスティックのケースで覆うと殆ど遮られる。ということは、時間を経過するとCPMが2倍から3倍になるというのは、ベータ線を感知したからだということである。

 ベータ線は、物の本によれば、飛んでも精々が数m。この地下室にベータ線を出す線源があるということになる。あるとするなら、あのランタンのマントルしかない。まさか。それにどうしてCPMが増えていくのだ?理解できない。LND712だってベータ線を感知する。

 SBM-20をむき出し(ケースの外にだす)にして測ると、前と同じように1時間経つと確実にCPMは2倍になる。これをすぐにケース内に入れて再度測ると図のように、落ち着く。ケースの遮蔽が何らかの影響を与えていることは間違いない。

Photo この一般の住宅の部屋の中にベータ線をだす物質が浮遊しているということなのか?謎は深まるばかりである。一般の環境放射線量の調査では、ベータ線は除くようにという指示が多いのは、こういうことがあるからか。いずれにしても、元のSBM-20が壊れていないことだけは確認できた。

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例のマントルを近づけると、ケースの中に入れたSBM-20でも、せわしない音とともにLEDは絶え間なく点灯し、500CPMやそこらは簡単に到達する。シーベルト換算だと、このあいだ大騒ぎのあった世田谷の3μSv/hくらいである。何の規制もされていないこのマントルが余裕で出す線量に世間は大騒ぎしているが。

 このマントルも1メートルも遠ざければ全く反応しなくなる。ここからベータ線が出ていた?まさか。念のため、別の部屋にマントルを遠ざけて測定してみる。当然、前と変わらずむき出しにするとCPMは増えていく。まあ、この問題は外部クェンチ回路を実験するまでお預けである。

リセットICの消費電流もケチって遂に待機時0.6μAを実現(10/19/2011)
 公開に向けて回路図を描き始めた。実はまだ気がかりなことがある。リセットICの消費電流が20μA近くと馬鹿にならない。何しろMega328の待機電流は1μA以下なのだ。折角省電力化したのに、その20倍の電流が常時流れるのは気分が良くない。ただ、電池の電圧を常に監視している必要があるのでFETのスイッチの後などに置く事はできない。

 しかし、電源回路を描いていて思いついた。常に電圧を監視していなくても良い。FETのハイサイドスイッチのあとでも構わない。ペリフェラルに供給される電源電圧を、CPUがチェックしてやれば良いのだ。

 いや待てよ、リセットICもいらない。CPUのADCか何かで監視して、一定の電圧以下になれば、ペリフェラルを切って、パワーダウンモードに入れば良い。そうか、こちらの方が簡単だったか。なんだ、最初の案が一番合理的だったのだ。

 そうは言っても、ここまできたのだから、せめてこの回路でも待機電流をμA以下にしてやろう。ケースの中の主基板を取り出し、電源系をあらためて検討する。リセットICの回路をFETスイッチの出力側へ移す。電源系統の誤配線は怖いので慎重に結線を接続しなおす。通電。良かった。一発で動いた。消費電流は?すごい。やった。0.6μAだ。

 電源を入れようとボタンに手がかかって、あわてて手を止めた。このところテスター(マルチメーター)のヒューズを誤接続で立て続けに飛ばしている。μAオーダーの計測レンジで不用意に、スタートボタンを押すと数百mAレベルの突入電流で簡単にヒューズが飛ぶ、それもあるが大抵は電圧計のつもりでプローブを当ててしまいショートさせたことの方が多い。

 しかし、ちょっと怖いことがある。長いテスターリードで電流を測ると、何故か電源のディップが復活してリセットしたり、突入電流が1A近く流れたりすることがあるのだ。心配である。スイッチの切り替えのタイミングで大電流がCPUのポートなどに流れると、石を壊してしまう。

 寝床についてからもあれこれ考えていた。結局、すべてはDC-DCコンバーターの突入電流と結論付けることにした(悪い方向は考えたくない)。それより、今のリセットICをトリガーとしてペリフェラルの電源をFETで切っているが、これも必要ないことに気づいた。

 リセットICのトリガーをCPUのI/Oピンに入れて、これを監視すればよいのだ。FETでローサイドで電源を切っているが、そもそもペリフェラルの電源はハイサイドで切っているのでわざわざここでも切る必要がない。

 しかもLCDに電圧不足のメッセージを出すことも出来る。今までの方法だと、何の挨拶もなく落ちるので、故障なのか、電池不足なのか判断ができないので困っていたのだ。これは一石二鳥だ。

 良い方法を思いついたときは、寝つきも良い。この日はぐっすり眠ることが出来た。

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ソフトパワースイッチのガイガーカウンター2号機のソースと回路図を公開(10/20/2011)
 翌日、機嫌よく地下の工作室に戻る。電源制御の小基板に折角苦労してつけたFETだが、思い切ってはずし、ドレインとソースのところをショートする。ゲートに入っていたリセットICの出力をMega328の入力ピンに入れる。大した作業量ではない。

 次はソフトである。ピンを初期化し、メインループの最後で、常にこのピンを監視し、論理0になったところで、LCDに警告メッセージを出し、一定時間後、パワーダウンモードに移行する。コードとして10ステートメントもない。あっという間にソフトも出来た。

 テストである。電源を単3二つの電池フォルダーから供給する。3.0Vである。リセットICは3.3V以下で動くはずだ。よーし、最初立ち上がるがすぐ「デンチデンアツ フソク」のメッセージを出してシャットダウンされた。良いぞ。元のリチウムバッテリーで正常に動くことを確かめて、テスト終了である。

 ふー。やれやれ。時間がかかったが、これでソフトパワースイッチと、過放電防止の回路はすべて順調に動いたようだ。ケースにUARTのケーブルを差す口を空けて、ケースを開けなくても、貯めたデータを吸いだせるようにする。これでさらに実用に近づいた。

 きのう事務所の往復に持ち歩いたが、3時間以上全く問題なく測定できた。地下鉄と地上の線量の違いも明確に区別が出来る。ガンマー線だけ測っている分には全く安定しているようだ。

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 このプロジェクトも、このあたりで少し区切りをつけよう。 電源制御は予想にたがわず難物だったけれど、ソフトパワースイッチにはだいぶ自信がついた。経験値も上がったように思う。

 ソースコードと回路図を公開することにする。ガイガー管がベータ線でCPMが増加する問題は先の課題にしよう。

以下に、AVRStudioのフォルダーでかためたソースコード一式を置きます。タクトスイッチの仕様がSparkFunのと異なっているので注意してください。回路図のBSch3Vファイルもフォルダーの中に入っています。

「ChaneyGeiger.zip」をダウンロード

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2011年10月10日 (月)

ソフトパワースイッチ難航: ガイガーカウンター2号機完成へ

 暗雲がたれこめている。CHANEYのキットを使ったガイガーカウンター2号機がもう少しで完成というとき、ガイガー管(以降GM管)、SBM-20不良の可能性が出てきた。

 通電時間が長くなると(30分以上)、検出パルスがどんどん増えてきて、数時間で当初の3倍から4倍になってしまう。このところの東京の環境放射線量は全く安定しており、この変化は機械以外考えられない。

S_pa104288 初めは改造による電圧の高すぎ(約500V)によるものと思っていたが、オリジナルのキットの状態(390V近辺)に戻しても同じ状況であることを確認した。電圧は時間が経っても変っていない。

 あらためてウェブでGM管の情報を詳しく調べる。それによるとGM管には内部クェンチといって、一旦放電が起きたあとの連続放電を避けるためガスが封入されていると書いてある。もしこのガスが抜けると、クェンチがうまく行かなくなって、パルスの数が増えてしまうという。

 そういえば、工作の途中、ケースに入れようとして管壁を少しへこませてしまった。これでガスが抜けたのかも知れない。しかし、本当にガスが抜けたのなら、最初からパルスが派手にでるはずで、時間とともに増えていくというのは良くわからない。

 ウェブをさらに探し回るが、こういう現象を報告しているサイトは見つからない。放射能を持つマントルを近づければ派手にカウントが上がるし、放射線を検知していることには変りはないので、検知器としては使えるが、測定器としては、電源をいれたままにすると線量が2倍とか3倍になるというのでは、数値を出す測定器としては意味をなさない。

 CHANEYのキットは、小中学生向けの教材ということだが、使っている管は旧ソ連製とは言え、市販の線量計にたくさん使われている定評のあるGM管である。こんなことが起きるとは考えられない。やはり、自分のSBM-20がおかしくなったというのが順当なところだろう。

 これはやはり、管を替えて調べてみるしかないか。ひところに較べると、GM管も入手し易くなった。さすがにまだ一般のショップでは売っていないが、オークションなどで見ると結構、品物がでまわり、値段も落ち着いてきている。このSBM-20あたりは、3千円近辺で買えるが、いまさらガイガー管でもないような気もするし、すぐには決断がつかない。

 既に1台、ガイガーカウンターはある。もうあまり放射能計測にこだわることはない。しかし、このキットのために、ちょうど合うケースをみつくろい、LEDの窓も開け、工作を進めて、あと一歩で完成するところまで来ている。このまま、引き下がるわけにも行かない。

SBM-20を新しく2本入手。しかしGM管の不良ではなかった(9/30/2011)

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 迷った挙句、SBM-20を初めてのヤフオクで2本入手した。恐る恐るの取引だったが、順調に品物が届いて胸をなでおろす。テストの結果、意外な事実が判明した。入手したGM管は2本とも、最初の管と同じように、程度の差こそあれ、すべて時間が経つにつれてパルスが増加していくことがわかった。最初の管はガス漏れしていなかった。このSBM-20という管そのものが、こういう性質を持っているのだ。

 もちろん、最初のガス漏れの疑いのある管は、1時間程度の連続測定でカウント数は2倍になるのに対して、新しく手に入れた管は、2時間近く連続しないと増えていかないという差はあるが、一定時間後、増加し始めることに変りはない。最終的には3倍から4倍になり、そのあたりで落ち着く。

Sbm20_sample このSBM-20を使った市販の線量計は沢山売られている。これらは大丈夫なのだろうか。それとも、この性質を補正する回路にでもなっているのだろうか。いずれにしても、今の回路のままでは、長時間測るのは無理がある。精々が1時間単位に測らないと正確な数値を求めることはできない。こういうものなのか。それとも買ったのが2本とも不良品なのか(まさか)。さあどうする、である。

とにかく機器としては完成させよう(10/2/2011)
 GM管の不安は残るが、工作としては中途半端なまま終えるのは面白くない。電子機器の定番、ソフトパワースイッチやペリフェラルの電源制御など新しく試みたものもある。とりあえずケースの中に入れて動くところまで工作を続けることにする。

 何かとても無駄なことをやっているような気もするが、まあ我慢して、黙々とLCDまわりの配線を続ける。テストしてみるとLCDの配線は一発で通ったが、あろうことか、表示が逆にでた。LCDを天地逆さまに取り付けてしまった。基板に貼られたシールで画面の天地を判断していたのだが、シールが逆に貼られていたとは気がつかなかった。やれやれ。

 LCDの表示の天地の修正は結構面倒である。接着したところをナイフではがす。強力な接着剤である。なかなかはがれない。ケーブルの出るところが逆になったので、押さえのアクリル板をミニルーターで一部削り落とす。ケーブルのとりまわしが変になるが仕方がない。何とか接続を終えた。よーし、SparkFunと同じ画面が出てきた。CPMからシーベルトなどの換算は、まだそのままだがLCDは問題なく動いた。 

 ファームは、まだソフトパワースイッチを実装していない。以前テストしたときのコードを参考にコードを追加していく。電源スイッチは画面制御用のタクトスイッチと兼用である。この処理が意外に面倒だ。長押しの時間を測るタイマーは、Mega328がタイマーを3つも持っているので、空いていたタイマーをこれにあてることが出来、コーディングの手間が省けた。

 動かしてみる。全く動かない。まあ、こんなものだ。printfステートメントを至るところに入れて動きを追う。少しづつ動き出すが、ボタンの長押しで、システムが立ち上がった直後、リセットがかかって前に戻ってしまう状況から抜け出せない。

 最初は、無印Mega328の割込みルーチンのエントリー先が違うのではとか、コンパイラーのライブラリが変わってしまった(AVRSPの再ビルドのときライブラリーチェーンが一時おかしくなった)ためではとか、ソフトを疑っていたが、原因はやはり、ハードだった。

ソフトパワースイッチは一筋縄では行かない(10/3/2011)
 ペリフェラルの電源をFETで入れるとき、突入電流でVccがディップし、CPUがリセットしてしまうのが原因だった。始め、オシロで調べてもVccのディップは見つからなかったし、インダクターや大容量コンデンサーなどを入れても全く改善されなかったため、ハードではなくソフトだとばかり思いこんでいた。

 ソフトで考えられることを全てやっても解決しないので、もう一度ハードに戻り、電源そのものを独立させたら、すんなり動いた。これに気づくのに、丸々1日かかった。ブレッドーボードを使っているといっても、DC-DCコンバーターは既に基板にハンダ付けしてしまってある。ハードをいじるのは面倒なのでつい不精していた。

 とにかく、ガイガーカウンター2号機のソフトパワースイッチは、ブレッドボード上でペリフェラル電源をCPUと別にしてはいるが、とりあえず動くようになった。スイッチの長押しで電源を入り切り出来、これを繰り返しても止まらない。いやあ、ソフトパワースイッチは予想通り面倒だ。まだ電源の共有が解決されていない。最悪の時は、電池を2つ用意しなければならない。

 それに、GM管の表示が増えてくる件については未解決のままである。この問題は、外部クェンチ回路の雛形を入手したので、ソフトパワースイッチの完成後、テストしてみようと思う。連続パルスをある程度除去すれば使えそうな気もする。

バグがとれていく過程が楽しい(10/4/2011)
 ソフトパワースイッチが動き始めたので、少しづつ先にステップを進める。まず最初の懸案は、パワーダウンモードが本当にそれにふさわしい消費電流になっているかの検証である。これをやっておかないと何のために苦労したのかわからなくなる。以前、Xbeeでも本当のパワーセーブに苦労した。

 電流計で測定する。あれえ、電源を切っても電流が1.3mAも流れている。少ないとはいえ常時この電流が流れていたら電池はあっというまになくなってしまう。パワーセーブどころではない。何だ何だどうしてだ。プルアップ抵抗からはピンがHighなら電流は流れないはずだが。

 おや、プログラムが動く一番最初は10μA以下だ。ところが一旦動かした後は、同じパワーダウンモードになっても、1.3mA以上になる。不思議である。どこかのI/Oポートの設定で電流が流れてしまうようである。

 ここにばかり時間をとっておられないので、プログラム開始直後の初期化を、電源ONループの中に入れてもういちど初期化をすることにした。これでこの問題は解決した。副作用は、UARTが少しおかしくなるが大勢に影響はない。とにかく待機中の消費電流は9.7μAになった。

 データシートに出ている6μA(5V WDT許可)に較べると、やや多いが、まあこんなものだろう。フューズビットで、WDT(ウォッチドッグタイマー)を禁止にすれば、もう一桁下がるはずである。

 次は、電源用のタクトスイッチのI/Oピンが、作動状態になると機能しなくなるバグである。おかしい。同じことをやっているのにI/Oピンが立たない。何故なのか。しかし、これも面倒なので、対症療法だが、スイッチフラグの変数を増やして、I/Oピンを見ないですむようにする。

 これはのちほど、原因が判明した。プログラムは考えたようには動かない。書いたように動くという格言を地で良く失敗である。メインループの最後に、電源OFFのためのルーチンがあり、ここでしっかり、パワーダウンボタンの押下が終わるのを待っていた。

 作動中は必ず電源OFFのリクエストをチェックするために、ここを経由する。従って、このボタンをいくら押しても、実際のチェックでは、このボタンが離れてから到着する。考えてみたら当たり前のことだが、頭に血が昇っているときは、目の前のルーチンに気を取られて「おかしい、おかしい」ということになる。情けない。 

 少しづつ問題点が解決されていく。ささやかなトラブルだが、どんな小さな問題でも解決されていくというのは気分が良いものである。今までの暗い気持ちが晴れる。

レギュレーターで解決したと思ったのも束の間(10/6/2011)
 バグがなくなったとはいえ、まだ電源は独立電源である。このままでは2つ電池が要ることになる。電源を共有するための方策をブレッドボード上で、あれこれ考える。インダクターと大容量コンデンサーの電源のデカップリングは前に試して効果がなかった。次は定電圧レギュレーターである。以前LPCMプレーヤーのときに大量に買い込んだロードロップのXC6202の出番である。

 CPUのVccは現在、生のリチウムバッテリーに直結してある。レギュレーターを通せばペリフェラル電源投入時のディップをなくすことが出来るだろう。やってみた。うーむ、これでも駄目だ。おかしいな。もしかするとリセットするのは別の原因なのか。

 ペリフェラル側にレギュレーターを入れるのはどうだろう。4Vのリチウム電圧を一旦3.3Vに落とし、それをDC-DCコンバーターの入力にするのは、とても無駄な気もするが、この際だめもとである。

 ややや、動いた。何ということだ。DC-DCコンバーターの突入電流をレギュレーターが緩和したのか。CPUは共通電源で何事もなく立ち上がり、ガイガーカウンターの高圧部にも電源が入った。わけがわからないが、理屈はどうでも動けば良い。ブレッドボード上の回路を意気揚々と、基板に組み込む。これで解決だと機嫌よく実装テストをする。と、これが何故か、またリセットして先に進まない。えっえー、どうして?ブレッドボードでは動いていたのに何故?信じられない。

 泥沼が続く。回路をハンダごてで次々にはずしてテストを続ける。どうもノイズを拾っているのか回路が近接していると、電源を独立させていても入り切りのタイミングでリセットする時がある。SBM-20の外部クェンチ回路どころではない。人生が暗い。

オシロでVccのディップ波形を遂にとらえた!(10/9/2011)
 ソフトパワースイッチの電源制御のところで迷走が続いている。あろうことか、電源を独立させても、CPUがリセットしてしまうようになった。こうなったらリセットの原因を徹底的に究明しないと解決しない。(今度の回路はリチウム電池の過放電防止回路がついているが、これをバイパスさせても起きるので、これが原因ではない)。

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 幸い当研究所にはオシロがある。回路を元に戻し、慎重に基本的なところからCPUのVccディップを探すことにした。その結果、遂にディップを捉えることに成功した! そう、入力をACモードで受けて、倍率を上げ小電圧の差分でトリガーできるようにする方法だ。経験者には極く当たり前のことだろうが、こちらはオシロの素人である。

 ただ、捕捉できなかった原因は、1div 10ms以上の長いスキャン時間でパルスを捉えようとしていたためではないかと思う。デジタルオシロなので、短いパルスは長いスキャンでは分解能がたらなくてトリガーできなかったのではないか。

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 波形を捉えた時は嬉しかった。電源投入時のディップは鋭い下向けのパルスで差は1.5V以上、幅は60μs以上ある。4VがVccなのでVccは2.5Vまで下がり、幅もCPUをリセットさせるに十分な長さだ。電源を独立させてもリセットされたのは、この鋭いパルスで誘導電流でも流れたのか、いずれにしてもDC-DCコンバーターの立ち上がりは猛烈な突入電流が流れるようだ。

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 ディップを観測できてから、解決は早かった。画面の写真を載せたが、最初は、電源投入時の元のパルスで、次は電源に大容量(100μF)のコンデンサーとインダクター(22μH)のデカップリングを入れたときのもの、3枚目が、4.7μFである。これが一番浅い。実機にはこれを採用した。面白いことにコンデンサーが大きいと、ディップはなまるがかえって深くなりまずいということがわかった。これが最初、この対策をして効果がなかった理由であろう。

 この定数のCLを電源回路に入れて、めでたくソフトパワースイッチは、共通電源で実現した。いやあ、およそ一週間これにかかりきりだった。可哀そうなのは、このあいだのレギュレーターXC6202である。今度も基板に載ったけれど採用されずに低温ハンダではずされ、ジャンク箱に逆戻りした。余程運のないやつである。許せ。

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 残るは、いよいよGM管の外部クェンチ回路である。これでうまくいけば万々歳なのだが。

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