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2012年10月の2件の記事

2012年10月20日 (土)

アナログ工作は難しい:焦電センサーの実装に手こずる

LM380革命アンプを聴きながら焦電センサーのケース作り(10/13/2012)
 親善試合とはいえ、サッカー日本代表がフランスに始めて勝った。えらいことである。落ち目のフランスが相手と言っても、これは大変なことだ。それも、フロックではなく堂々のカウンターからの小気味良い速攻の得点だ。山中教授のノーベル賞受賞、テニスの錦織のツアー2勝、F1の小林選手の3位表彰台と、このところ日本人の快挙が続く。少し日本も運が向いてきたか。

S_pa205259 それはともかく、出来上がったLM380革命アンプの聴きこみを続けている。素直な音だ。疲れないのが良い。PCの横で音を出しっぱなしにして、これからの作業計画をメモに書きとめたり、これまでの工作の続き(焦電型赤外線センサーの実装)を進める。至福の時間だ。

 焦電型人感センサーは、センサー部をアクリル板でケースを作り、オペアンプも順調に動いた。残りの工作は、ブレッドボードに残した制御部の実装である。こちらのケースはこのあいだ買ってきてある。電源は色々迷ったが、結局LAN電源制御の時と同じように、ACアダプターをケースに埋め込む方法になった。

 前にも書いたが、このあたりの小規模な電子装置のためのACスイッチング電源基板は、安くても¥1000以上する。100均ショップのUSB用のACアダプターを分解しても良いが、少し安すぎるのが不安だ。で、今度も安心な秋月製のACアダプター(5V 1A ¥580)をソケットごとドーター基板に固定することになった。

S_pa145233 ドーター基板は2ミリの透明アクリル板である。センサーのケースを切り出したときの切れ端が、偶然買ってきた制御部のケースの横幅と縦幅にまるで測ったようにピッタリ合致した。驚いた。こんなことってあるんだ。ドーター基板を作ろうとしていた矢先である。これは手間が省ける、これを使ってやろう。

 ただ厚さが2ミリと薄いので、電源コンセントの穴を大きくあけて強度が持つかが心配だ。ヒビが入る恐れがある。穴あけは、ボール盤(まあ、ドリルスタンドだが)で連続した小さい穴を開けてあとから大きくする方式である。

S_pa195243 アクリル板は意外に丈夫だった。間隔が7ミリ近辺でも十分な強度がある。SSR(ソリッドステートリレー)もこのドーター基板に移してしまう。わずかな面積だが放熱板をつける余裕がある(まあ、電灯くらいなら要らないだろうが)。これで、100V関係をドーター基板にすべて納めることが出来た。

革命アンプの電源も考えてやらないといけない(10/14/2012)
 LM380革命アンプのために、やってあげなければいけないことは、ケースに入れることと、まともな電源を用意することである。このアンプの供給電圧の定格は10V~22Vで、現在の電源電圧の9Vは定格外である。

 いずれはシリーズ電源にしたいが、とりあえず定格内にしようと焦電センサーのケースを買ったとき、一緒に秋月の12VのACアダプター(¥750)を買った。家に帰ってから、12Vのアダプターなら以前アナログ液晶モニターの電源のため買ってあったことを思い出した。やれやれ無駄な買い物だったか。

 しかし、この電源は失敗だった。最初は問題ないが暫くすると、チーッという高周波音がスピーカーから聞こえてくる。定格は1.3Aだ。LM380は2つで50mAも流れていない。全く問題ないはずだ。熱も持っていない。スイッチング電源はこれくらいの音がするものか。それとも12Vに上げたことでアンプが発振したのか。

 思わぬところで、ダブってしまった以前の12Vアダプターが役に立つことになった。早速こちらを取り出してつないでテストしてみる。定格は1.5Aと買ってきたものより少し大きい。おやあ、このアダプターは全く問題がない。どこまでも安定している。高周波音はアンプのせいではない。新しく買ってきたアダプターのせいであることがはっきりした(不良とは断定できないが)。

 まあ、スイッチング電源は暫定だ。いずれまともなシリーズ電源にしてやろう。LM380は12Vにすると、ほんのり暖かくなる(9Vでは音量最大でも殆ど発熱しない)。ただ、放熱板をつけなければならないほどの熱ではない。

 こいつのケースも考えてやらないといけない。それはそうと、前の記事を上げてからブログのアクセスが増えた。あきらかにこれを目当てにこられるお客さんが増えた。随分昔の話なので、知らない人が多くなったのかもしれない。ツイッターで話題になったりして、アクセス増加に寄与している。

焦電センサーの電源部をケースに組み込み、制御基板を作る(10/15/2012)
 焦電センサーの工作の話に戻る。ACアダプターをつけるドーター基板が出来たので、AC部分の配線にとりかかった。狭いところに太いACコードを押し込むのが大変だ。コードを短くすれば入るのだが、保守性を良くするためドーター基板をケースからはずしたままで動かすことを考えると余り短くは出来ない。

 ACコードのハンダ付けはいつもながら厄介である。半田ごてを換えれば良いのだがつい不精して、基板用の小さいのを使うものだから、うまく行かない。現用の半田ごては、一応セラミックの温度調整付きなので、暫く当てていれば半田は溶けるのだが、接触面積が小さいので苦労する。

 ケースが小さいのでフューズはとても入らない。出来上がってから、あちこち引っ張ってどんなことでもショートしないことを何度も確認する。うむ、大丈夫だろう。ドーター基板にSSR部分も固定してしまったので、100Vの部分は十分隔離できている。

 完成した。例の逐次開発方式で、この部分だけのテストをする。ブレッドボードの横に置き、SSRの制御ケーブルとACアダプターの5V出力をブレッドボードの回路につなぐ。通電である。思い切ってACコンセントを差し込む。問題なく動いた。

 早速、階段の入り口に設置して電気スタンドで実際に動かしてみる。これまでのバラックと違ってコンパクトになった。ケースが小さかったので、ケースの2/3はACアダプターとそのコンセントで占められてしまっている。センサー制御部分の基板面積はとても小さいが、何とかなるだろう。

 次は制御基板の切り出しと固定である。あらかじめ簡単なアートワークをやって必要な大きさを決める。いずれにしても、半分はACアダプターにスペースをとられ、その残りもSSR基板が入るので、制御基板の大きさは、ケース面積の1/4以下になる。8ピンのAVRと圧電スピーカーが大部分を占める。

S_pa165235 基板の固定は今度は少し趣向を変えてみた。普通なら大量に買ったタッピングずみの5ミリのスペーサー(100ヶで¥1240)をケースに接着剤で止めて簡単に済ませるのだが、今度は高さを低くしたい事情がある。そこで昔買ったまま使っていないABS樹脂の5ミリソリッドチューブを活用することにする。

 チューブはサーキュラーソーで4ミリで輪切りにしてスペーサーにし、これをケースに接着してからドリルで2.5ミリ穴を開けるという手の込んだやりかたである。ケースに接着したのは、外径5ミリ、高さ4ミリという小さい部品に正確にドリル穴を開けるのは、今の装備ではほぼ不可能なためである。

 まあ、将来の工作(正確に穴を開ける、そうCNCが野望)の練習みたいなもので余り意味はないのだけれど、ドリルスタンドの活用でもある。2つあるドリルスタンドのうち、プロクソンの小さい方のスタンドで穴を開ける。

 まず、スペーサーと基板を両面テープで仮止めし、スペーサーを接着剤でケースにしっかり固定する。このあと、あらかじめ開けた2.8ミリの基板の穴を通してドリルで2.5ミリ穴を開け、ここにセルフタッピングネジ(2.6ミリ)を通す。

S_pa165237_2 少し中心がずれたが何とか固定に成功した。これで、この5ミリのソリッドチューブもやっと無駄にならず、日の目を見ることになった。こんなことでも機嫌が良くなるのだから、余程の貧乏性である。

 それにしても、穴あけのコツは、対象物の正確な固定であることを再確認する。最近の接着剤は強力だ。ドリルで穴を開けてもびくともしない。

焦電センサーの誤動作が解決できない(10/18/2012)
 センサー制御部の配線が残っている。わずかな配線量だが、念のため正確なアートワークを描いた。ただ少しずぼらをしてTop Viewだけのアートワークで、実装にとりかかることにする。8ピンのAVRだ。面倒なところはあまりないだろう。

 ハンダ付けである。こういう作業はだらだら長時間かけるより、精神を集中して短時間でやる方が効率が良い。仕事で出かけた日の夕食後、気分を整えて一気にとりかかる。Top Viewだけでハンダ面の実装をするのは、いつも失敗が多いのだが、大分慣れてきたのと、少し気を入れてやったのが良かったのかもしれない。順調に2時間ばかりで完成した。

S_pa195246 あとはソケットやスイッチの穴など、現物あわせをしなければならないケースの工作を残すのみとなった。それより、まずは動作確認である。何度も接続を確かめてから通電する。よーし初期化のときにつくLEDが点灯した。タクトスイッチを押すとBeep音がする。うまく動いたようだ。

 暫くして焦電センサーが動き始めた。手をかざすと点灯した。良いぞ。おやあ、タイムアウトで消えると同時にまたLEDが点灯する。やれやれ当初、起きたトラブルの再現だ。このときはポートピンを内部プルアップすることで解消したのだが、その後も電源を長く引き回したり、接触不良のときに偶に起きていた現象である。

 このままでは延々と点灯したままになる。ブレッドボードから汎用基板にして環境が換わっている。現象ははっきりしているが、原因が良くわかっていないので厄介だ。要はセンサーが感知して点いたLEDがタイムアウトで切れるときに何らかのノイズが入力ピンにフィードバックされセンサーが再び感知して点灯を繰り返す。

 オシロでTiny13の入力ピンが深くディップしているのを確認している。問題ははっきりしているが、その原因は解明されていない。解決法がないのだ。最初は入力ピンを内部プルアップしたら現象はなくなったが、何故解決したのか原因は良くわかっていない(前回記事参照)。

 オシロを入れて本格的なトラブルシューティングに入る。前と同様に出力ピンがOFFになるときセンサー入力がディップして閾値を越えている。前のときより大きい。一番疑われるのは電源である。しかしオシロを2現象にして電源を見ているが大きな変化はない。

 さらにしつこく調べる。電源の細かい変化を見るため、こちらをAC入力にし、感度をあげて(200mV/div)みた。ノイズだらけになるが、ディップの瞬間に、電源が0.1Vほど上昇することをつきとめた。これだ。間違いない。電源のわずかな変化がオペアンプに影響しているのだ。

S_pa185238 念のため、センサー部の電源を別電源にしてみる。乾電池3ヶの4.5Vをブレッドボード経由でセンサー部に供給する。やった、やった。別電源にするとディップは全く起きない。何事もなく出力LEDは一回で消えた。

 オペアンプは、1600倍の増幅率である。電源のわずかな変動が出力に影響を与えているのだろう。しかし、電源にインダクタンスや、大容量のコンデンサーを入れるが、ディップをなくすことは出来ない。

 時々うまく行く時もあるが、出力LEDは点灯を繰り返す。接触不良も何か関係ありそうだ。いやあ、アナログは難しい。原因はわかっているが解決できない。そのうち大容量コンデンサーではなくて、1μF程度のコンデンサーの方が効果があったりして、こいつをセンサー部の電源にハンダ付けして実験するが、回数は減っても解消することは出来ない。完全に暗礁に乗り上げた。

 打つ手がなくなって、見ることもなくブログに上げたセンサー部の回路図を見ていたときである。焦電センサーの電源部に10KΩと10μFのデカップリング回路が入っているのを見つけた。これだ!頭にランプがついた。

安定化するべきはオペアンプでなく焦電センサーの電源の方だった(10/19/2012)

S_pa185240 今まで、センサー部全体の電源の安定化だけを考えていたが、焦電センサーそのものへの電源の安定化はさほど考えていなかった。回路には、すでにその対策がしてあるではないか。オペアンプではなく、こちらが不安定になっているのが原因に違いない。全体電源の部分でいくら対策をやっても効果が薄いのだ。

 あわててこの10μFを100μFに交換してテストしてみる。ビンゴ!!であった。センサーのディップは完全に解消し(小さなピークが残るが、これは閾値に関係しない)、出力LEDに全く影響されないようになった。 

S_pa195241 暫く試運転する。ふーむ、焦電センサーがふらついて電圧が低下し何も検知しないのに点灯する時がある。電圧を見ると閾値に近い2.5V近辺。ちゃんとしたコンパレーターを使うべきか。少し考えて入力ピンにプルアップ抵抗をつけることを思いつく。

 20KΩくらいがちょうど良さそうだ。こいつを実装して(こちらは制御回路の部分)、焦電センサーはやっとスペックどおりに完動した。いやあ手間がかかった。久しぶりに問題解決した後の爽快感を満喫する。この快感は何物にも替えがたい。

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 残っていたケースのソケットとタクトスイッチ、動作LEDの穴を開けて、養生テープをはがし、記念撮影する。これまでバラックで動かしていた階段のスタンドの点灯部分に設置する。見違えるようにすっきりした。

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2012年10月 6日 (土)

アナログ工作にはまる(2): LM380革命アンプを制作する

 焦電型赤外線センサーでオペアンプを作って、すっかりアナログづいてしまった。アナログといえば前々から気になっているパーツがある。それは、LM380というワンチップのオーディオ出力アンプICである。

 ふとしたことで「LM380革命アンプ」という回路があることをウェブで知った。LM386というのなら3年前リニアPCMプレーヤーを作ったころスピーカーを鳴らしたくて買ってあるが、LM380の手持ちはない。

S_pa045223 LM380は14ピンDIPで8ピンのLM386よりもっと昔のICのようで秋月あたりではもう売っていない。この古めかしいチップがちょっとした回路の変更でとんでもなく良い音のアンプに変わるというのだ。革命の由来はこの音の変化の大きさから来ている。

 理屈は良くわからないが、要はアンプに深い交流電流負帰還をかける。オーディオ出力アンプICの入力はたいてい差動入力になっているので、反転増幅のものや、非反転増幅のものなど各種の革命アンプ回路があるらしい。4~5年前大流行したようだ(あやめアンプとも言うらしいが、この語源は不明)。

 たくさんの制作記がWebに残っていて、みなさん一様に驚きの声を上げている。LM386はともかく、このLM380革命アンプは一度作ってみたいものだと思っていた。ただ、オーディオの世界は前にも書いたとおり魔物が住んでいて、凝りだすと抜けられなくなる危険が一杯のところである。

 そんなことで、なるべく近づかないようにしていたのだが、このところのアナログづいた工作の流れから、どうも我慢の閾値を超えたようだ。秋葉に別の買い物で行ったとき、勝手に足がマルツに向かい、気が付いたらLM380を買ってしまっていた(¥120 4ヶ 千石より安かった)。 それで結局、ブレッドボードの試作だけでなく、汎用基板にステレオアンプを作るところまで行ってしまった。

以下は、アンプ以外の工作を含めた、この2週間あまりの電子工作記録である。

焦電型人感センサーのその後(9/22/2012)
 アンプの話の前に、焦電型赤外線センサーの工作についても少し書いておこう。センサー部は出来たが、制御回路はまだブレッドボード上にありAC100Vはピン接続端子で仮配線しただけの状態である。それでも階段の照明制御では順調に動いている。荷物を手に持って階段を下りる時など思った以上に便利である。実家に帰ってきた次女も感心してくれた。ちょっと鼻が高い。

 実は、まだセンサー部のケースには基板を固定するところがなくただ基板を差し込んであるだけである。いくら素人の工作とはいえ、このままにしておくわけにはいかない。これを固定する工作を始めた。

S_pa045217 アクリルの細い小片を4枚接着してその間に基板を挟む。出来上がりは、ちょっと外回りが汚くなって以前のようなすっきりした外観ではなくなったが、まあ売り物にするわけではない。許してもらおう。

 ここで頭をひねったのが、この縦に差し込んだ基板の固定である。今は摩擦で止まっているがいずれ落ちてくる。これをいかに簡便なしかけで止めるか。ささいなことだが、こういうしかけを考えるのはいつもとても楽しい(自分だけかもしれないが)。

 結局、考え付いたのが写真のような仕掛けである。かんぬきのような小片を横に差し込む。作ってみると簡単にしかも確実に止めることができた。暫く自己満足にひたる(もっと良い方法があれば是非教えてください)。

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 仕事の帰り電源部品の調達のため久しぶりに秋葉原にでる(9/24)。さしもの猛暑も一段落した。ここ数日は涼しい。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。電源は迷ったが、やっぱりいつものようにACアダプターを内部に入れることにする。

 秋月で、最近売り出したこれまでより小型と謳っている5VのACアダプターを入手する。確かに小さいが、少し丈が長くなる。千石では、電源制御部のケースを買う。ガイガーカウンター2号機より少し小さいタカチのSW-100(65×35×100 ¥230)である。

 この大きさでは電源アダプターが半分以上を占めるが、Tiny13ならこれでも入るだろう。絶縁タイプのACアダプターというとどうしてもこういう形にしかならない。何か他に良い方法はないだろうか。AC電源基板となると、どんな小さいものでも¥1000以上するし。

S_pa025204

ガイガーカウンターが動かなくなった(9/25/2012)
 ここにきて思わぬ事件が発生した。焦電センサーの実装の参考に、同じようなケースを使っているガイガーカウンター2号機ケースを開け閉めしたところ、急にガイガーカウンターの調子がおかしくなったのである。LCD表示が出なくなり、そのうちGM管のパルスが止まった。高圧が出ていない。

 やれやれ、この忙しいときに故障だ。こういうものをほおっておけない性分である。ひとまず電池を疑う。しかし4V以上あって問題なし。LCDが出ない原因はすぐわかった。LCDへのリード線が2本も断線していた。慌ててハンダごてを取り出し修復する。しかし、高圧が出ない症状は直らない。

 これは片手間で直るトラブルではなさそうだ。腰を据えて修理体制を整える。ケースをすっかりはずし、オシロを持ち出して少しづつ回路の中の波形を調べていった。まずNE555はどうか。よし、励起パルスは正常に出ている。次はフライバックトランスをドライブするトランジスター(TR)である。

 ベースにプローブをあてる。ちゃんとパルスが入っている。しかしコレクターは全く音沙汰なし。ふむ、やっぱりTRのパンクか。機嫌よく動いていて突然動かなくなるのは、大抵はTRなどの半導体で、次はコンデンサーである。抵抗で突然動かなくなることは、焼損などの徴候がなければまずあり得ない。

 ここのTRは以前、ピンセットで高電圧をリークさせたときにパンクした2N3906というオリジナルから取り替えたコンパチの2SA1015である。ピンアサインが違うので、コレクターとベースがテレコになってハンダ付けされている。こいつが壊れたようだ。

 新しい2SA1015に取り替えてみる。直った。高圧が出た。やっぱりTRがいかれていた。ところが念のため壊れたという元の石を、hFE値が測れるテスターで調べてみるとまだ立派な値が出る。うーむ、おかしい。石が原因ではなさそうだ。無駄とは思ったが、元の石に戻して動かしてみた。

 何だ、直ってしまった。原因は石ではない。2SA1015に換えた時のハンダ付け不良としか考えられない。要するに天ぷらハンダでついていて何かのはずみで接触不良になったのだ。コレクターとベースを逆さまにつけるところで十分ランドにリードが出ていなかったように思われる。

S_pa045224 元のTRをしっかりリードを出してハンダ付けしなおす。念のため、このCHANEYの回路に不足している、ダイオードと抵抗をシリーズにしたトランス逆起電圧防止の回路を付け加える。これがないとTRの寿命を縮めるはずだ。

 ガイガーカウンターは全く前と同じように快調に高圧パルスをだして動き始めた。このセットは、友人から是非欲しいと所望されているのだが、電池がリチウム電池で充電が難しいので差し上げるわけには行かない。これもあと一台作る必要があるか。

昔のミニスピーカーを掘り出してオーディオの準備(9/26/2012)
 革命アンプである。前から聴いてみたかった。はずみのようなものでそれが実現する。目の前にはLM380が工作されるのを待っている。ついでにLM386も部品箱から取り出す。久しぶりのオーディオ工作である。心が躍る。

S_pa025202 まずは少しまともな出力装置を用意する。昔のミニスピーカーを物入れから取り出した。ドイツ製のグルンディッヒ(Grundig)のMiniBOX330である。このスピーカーは独身時代、オーディオショップに勧められてカーステレオに使っていた。(写真のCDは大きさの比較のためで他意はありません)

 少なくとも30年以上前の話である。とうにこの会社はつぶれている(ブランドは残っているが)。しかし、ググって見たら、何とビンテージ品として取引されていた。小さいけれど侮りがたい音が出る。いかにもドイツ製らしい重厚で落ち着いたサウンドで、お気に入りのスピーカーだった。ビニール袋から取り出し、ほこりを払い、洗剤を含ませた布でエンクロージャーとコードを掃除する。布が真っ黒になった。

 音の比較をしたいため、まずLM386からデータシートの推奨回路でアンプを組む。オーディオなのでブレッドボードはまずいのだが、とりあえずは試作なのでブレッドボードに組む。部品点数はわずかなのですぐ組みあがる。音源は、例の自作リニアPCMプレーヤーのヘッドフォン出力である 9VのACアダプターをつけて音出し。うん、うん、いわゆるPCの付属スピーカーの音だ。可もなし不可もなし。少し音を大きくすると歪っぽくなるが、こんなものだろう。

S_p9275190 次は、LM380の標準回路を試す。おお、だいぶ違う。386は賑やかな音だが、こちらは真っ直ぐというかおとなしい音がする。ブレッドボードのせいか、ちょっと発振気味で余り音は大きく出来ない。

噂にたがわぬLM380の革命的な変化(9/28/2012)
 さて、革命アンプに変更する。サイトには沢山の回路例が紹介されているが、ここのサイトの一番おすすめの回路を選ぶ。そんなに部品が増えるわけではない。初期の革命アンプは何と負帰還の抵抗が2本とパスコンひとつが増えるだけである。

 参考にさせてもらったページはここである。参考と言うより回路はそのままコピーさせてもらった。ここは実証的で素晴らしいサイトだ。

 いよいよ音出し。うわあ、全然音が違う。これが同じICなのか。今までの回路の音とは次元の違う音がスピーカーから流れる。暫く聴き込む。ブレッドボード上なので、ボードを動かしたりすると微妙に音が変わるが(スピーカー端子のところなど)、音の良さが明らかに違うことは間違いない。

 音のソースはSDカードのリニアPCMプレーヤーの出力。まあCDと同じと思えば良い。快適だ。びっくりするような音ではないが、とても落ち着いて聴いていられる。長時間でも疲れない。

 暫く、この非革命アンプ(革命アンプを非反転増幅に変えたもの)を聴き込んだ。サイトの記事を読めばわかるように、歪み率が市販のHiFiオーディオアンプ並みに低いのだそうだ。透明な音がするのはそのせいである。

 もう、十分である。他の回路を試すまでもない。しかも電源は、単なる秋月の9Vアダプター(1.3A)である。本式にしつらえば、もっと良い音が期待できる。これはこのままにしておくには惜しい。恒久的な装置を作りたくなってきた。

 試聴に使っているグルンディッヒのスピーカーは、最初カーステレオにつなぎ、そのあと家族のミニコンポのスピーカーに使われていた。どんな音だったがもう覚えていない。しかし、こんなに解像度が高かったような記憶はない。あのころはCDもなかったし、音源がCDなのでそう聞こえるのかもしれないが、このLM380のアンプも寄与しているように思う。

LM386にも革命アンプの回路があった(9/29/2012)
 そのうち、ネットでLM386にも革命アンプというのがあるのを知った。早速、もうひとつミニブレッドボードを用意して、LM386の革命アンプを組んで、LM380とステレオにして聞いてみる。うーん、LM386もちゃんと負帰還をかけた回路にすると、とたんに良い音になるなあ。

S_pa025195 LM380と比較して遜色がない。ちょっとオリジナルの色が残っていて、明るい音がする。悪く言えば少し音が表面的になって浅い感じがする。うーむ、こういうことを言い出すようでは、これはやはり禁断のオーディオの世界に入りつつあるな。

 ブレッドボードでは不安定なので、ちゃんとした基板に実装するため、LM380の方のアートワークを早速描き始めた。折角だから抵抗やコンデンサーをオーディオ用にしたくなった。ウェブにはこのあたりを評価するサイトが山ほどある。あちこち調べて品定めをする(ここやここがまとまっているが、評価は一致していない)。見ている間に時間が経つのを忘れる。いかん、いかん、やっぱりかなり中毒が進んできたようだ。

 事務所の帰り、秋葉原に寄って、ウェブで見たコンデンサーのいくつかを買い求める。ハイエンドの法外な値段のものは買わない。でも千石、秋月、マルツの3軒だけでも4種類くらいのコンデンサーが揃った。

 帰って早速聴き比べをする。駄目だ。オーディオ地獄である。コンデンサーの聴き比べが止まらなくなった。まあ¥100近辺でこれだけ楽しめるのだからかまわないのだけれど、プラシーボ効果というか、どうもよくわからない。違うような気もするが、とても革命アンプほどの差は感じられない。

ちゃんとした基板に組めば音も安定する(10/4/2012)
 基板に組み込む。レイアウトはステレオアンプとし、なるべくコンパクトに汎用基板(秋月C基板)の半分に実装する。残りの空いたスペースは、電源か何かのために残す。もし電源を別基板にするなら、残り半分は切ってしまっても良い。入力端子はとりあえずステレオミニジャック。まあ、あまりこだわることはないだろう。

S_pa045212 とは言いながら、カプリングコンデンサーは、千石にあったオーディオマニア定番のWIMAを奢る(といっても一ヶ¥50だけど)。これが一番良いというわけではないが、何となく良い音に聴こえたから(ほとんどプラシーボ)。可変抵抗器も、ここがすすめるマルツ製(RD925G)を選ぶ。もうどんどんオカルトの世界に入って行く。

 LM380は真ん中の6本のGNDピンが放熱板を兼ねているらしいので、将来ここに銅板がハンダ付けできるよう両面基板にしレイアウトを考慮する。ハンダ付けそのものはたいした量ではない。数時間で大体組みあがる。

 片側だけ出来たので鳴らしてみる。うむ、ブレッドボードのときとは明らかに音が違う。まず安定している。音の伸びも違う。ただ、わずかだがハム音がスピーカーから漏れてくる。電源リップルか、誘導か。まあ、それはともかく満足できる音だ。元をただせば¥200しない石である。

 さらに時間をかけて、もう1チャンネルの実装のスタート。ちょうど風邪を引いていて水洟が止まらない。半田ごてを握って俯いて作業するのはつらい。ゴミ箱に紙屑の山が出来る。しかしここまできたら、もう止めるわけにはいかない。洟をかみすぎで鼻の下を赤くして完成。

 試聴する。両チャンネルそろったLM380革命アンプはこれはまた別の世界を作っているようだ。LM386の革命アンプが今ひとつ人気にならない理由が何となくわかった。LM380の音の無個性なところがちょうどステレオに合っている。高級アンプの雰囲気だ。

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