Edisonの電池駆動無線カメラの実現へ
Windowsでnode.jsのストリーミング成功(4/5/2015)
遂にWindowsでもEdisonのnodeサーバーの画像配信に成功した。うまくいかなかったのは、前の記事のコメントにあるように、単にクライアント側のindex.htmlファイルにWindowsでは動かないローカルサーバー名を使っていたことが原因だった。
前々記事にも説明があるが、今度のnodeサーバーは、ローカルネットの中のホスト名を自動的に調べてネームサーバーなどの助けなしに、それが使えるような機能がついている。Unixの世界ではAvahi、Macの世界ではBonjourと言うのだそうだ。前回の記事のコメントで、tmz7273さんから教えて頂いた。
WiFiではDHCPで自動的にIPアドレスを設定していくのでネットワークプリンターなどに固定のIPアドレスを振ることが出来ない。勝手に振られて迷子になってしまう。プリンターの個別のホスト名が使えれば、その心配はなくなる。Windowsでも使えるそうだが標準では入ってこない(iTuneをインストールすると入るらしい)。
ffmpegとnodeサーバーの映像配信がWindowsで動かなかったのは、nodeのクライアント側のコードが、これを前提としていたためで、tmz7273さんからあらためてコメントを頂き、とりあえずコードの中のローカルホスト名(ホスト名.local)を直か打ちのIPアドレスに修正したら、難なくWindowsでも画像が配信された。懸案は見事に解決である。tmz7273さんには感謝、感謝である。
これにより、Edisonの電池駆動の無線カメラの実用化は大きく前進した。早速1Fの居間に持ち込んで、ノートPC(WinXP)での画像配信を確認する。よーし、大丈夫だ。画面に地下のPCルームの光景が映った。
この電池駆動の無線移動カメラはまだ何に使うか決まっていない。これが一番の問題なのだが、当面の目標は達成である。心なしか体が軽い。次の課題はこれの実装だ。ここまでは、本体と電池、それにDC-DCコンバーターそれぞれが、完全にバラックの状態である。
電池駆動の移動カメラのケースの実装(4/7/2015)
電池によって移動できる無線ウェブカメラというのは行き掛かり上の目標で、具体的な用途が決まっていない段階で実装するのは、少し危ない。とはいえ、このままにしておくわけにもいかない。せめて本体と電源関係はひとつにまとめて動かせるようにしておくべきだ。こうしておくと、次のアイデアも湧いてくるだろう。
というので、手持ちのケースをいくつか取り出してレイアウトを考える。このあたり(タカチPB-2 110x80x33)が入りそうだ。2段にした単三電池4つのホルダーのため、秋月のCサイズの基板を少し切り詰めてマザー基板とする。
ここにEdisonブレークアウト基板とDC-DCコンバーター、スイッチなどを置く。Edison基板は50本近くのピンヘッダーとソケットでマザー基板と固定する。Edisonの入出力ピンは、Vccが1.8Vである。3Vや5Vの一般のペリフエラル機器を動かすにはひと手間かかる。
しかし心配ない。ちゃんと秋月では、1.8Vから5Vに双方向に動く8ビットレベルシフターIC(FXMA108)基板を用意してくれている。Edisonを買うときに、一緒に2つほど調達した。基板上の場所も確保してある。ただし、何に使うか決まっていないので実装は後回しである。用途の決まっていない基板のレイアウトはいつもながら難しい。
Edisonのシリアル端末が消える。nodeサーバーのソース解析に挑戦(4/10/2015)
ところが、ここで大きな問題が起きた。突然、Edisonのシリアル回線が動かなくなってしまったのである。心当たりと言えば、ブレークアウト基板の下に密集しているGPIOピンにすべてピンヘッダーをつけて、マザー基板で固定するようにしたことだが、これが原因とは到底思えない。 Edisonブレークアウト基板はシリアルが動かなくても、OTG用のUSBソケット(J3)に、PCからタイプBのコネクターをつなげば、USBの仮想IPポートが生まれるので、WiFiがつながらなくても、そう心配ではない。とはいえ最後の頼み、シリアルが動かないというのは不安である。
しかし、これにこだわっていたらいつまでたっても先に進めない。もし何かあれば、もう一台買い直す覚悟で先に進むことにする。まずは、今、直か打ちしているhtmlファイルの中のホストIPアドレス(Edison本体の)をnodeの中で変数として取得することだ。
サンプルコードは何か事情があって、ホスト名にしか出来なかったと思われるので、もしかするとこの改善は難しいのかもしれない。しかし、今のままでは、Edisonの立ち上げのタイミングでその都度IPアドレスが変わってしまい、運用性が極めて悪い。
この解決には、node.jsのソースが読めることが必須である。しかし、手続き言語のCなどと違ってオブジェクト指向のプログラムは、処理が外から見えないので、ちょっと読んだだけでは歯が立たない。何をやるオブジェクトなのかがわかっていなければ手も足も出ない。
nodeの本を買って勉強はしているが、このEdisonのソースは、expressという定番のウェブサーバー用のモジュールを使っており、独自の変数や関数を自在に使っているので全くチンプンカンプンである。
ただ幸いにも、nodeはWindowsでも動くそうなので、まずはEdisonではなくメインのWin7のPC上で実際にコーディングしながら勉強して行くことにした。しかし、これが苦難の道の始まりだった。
JavaScriptのお勉強にもどる(4/12/2015)
nodeの言語であるJavaScript(以降js)の文法や構文はCに近い。かなり以前、頼まれてオブジェクト指向ではない普通のアプリケーションプログラムをjsで書いたこともある。nodeのソースはすべてjsなので、すぐ理解できるだろうと、なめてかかっていたのだが、どうも甘かったようだ。
オブジェクト指向は、C++などが出る遥か昔のSmallTalkの時代に勉強し、理論としては完全に理解しているつもりだった。ただ、C++が出たころ、実際にコーディングしてみて、余りの煩雑さに途中で投げ出したことがある。
C++はSmallTalkのように理論的に美しくもなく、既存の手続き言語を強引にオブジェクト指向化した言語だ。まともなクラスを作るのには結局アセンブラープログラムが必要だったり、グループで開発するならともかく、個人でプログラムを書くときに、効率の良い方法とはとても思えなかった。
しかし、今度はそうも言ってはいられない。暫くもがいていたが、やっぱりjsそのものを理解しないと先に進めない感じがしてきた。 どんどん先祖へ戻る一番効率の悪いアプローチだが、ウェブ上で評判の高いこの本を買って来た。本当は、こちらなのだろうが、べらぼうな厚さの参考書をいちから読み進めるのは、この際、勘弁申し上げたい。
買って読んでみてやっぱり後悔する。言語仕様そのものが好きな人には面白いかもしれない。オブジェクト指向の勉強にはいいが、実践的なところが少ない。どうも、このところ電子工作の参考書の選択は、恰好をつけすぎて失敗ばかりしている。これまでに参考書が役に立ったためしがない。
しかたなくウェブサイトにもどって片っ端から、実際にコーディングしながら学ぶことにした。所長は、ウェブのアプリケーションプログラムの開発は殆ど未経験である。Perlで見よう見まねのCGIはやってはいるが本格的な開発はやったことがない。それでも最初のうちは好調だった。簡単にサーバーが作れる。
node入門の記事に最初に出てくるコードはどこも殆ど同じで、これは問題なく動く。しかし、次のステップから一気に難しくなる。nodeではサーバーの構築は、色々な付加的なモジュールを使って進めるのが常道のようで、Edisonのサーバースクリプトにも使われているexpressがやはり定番のようだ。こちらも当然、expressを導入することにした。
node.jsのモジュールexpressが動かない。Lチカを超えられない(4/17/2015)
ところが、このexpressが入らないのである。ウェブにはnodeについては無数の入門記事がある。Windowsだけの状況かもしれないが、多くの導入方法があり少しづつやりかたが違うが殆ど同じ手順だ。nodeのインストールはどれも順調に終わるが、expressに関してはいつも同じところで引っかかる。
一見エラーもなく、expressはインストールされる。しかし、入っているように見えても、サンプルコードを動かすと、「そんなコマンドはない」というエラーではねられる。不思議なことにnodeはパスを必要とするのに、expressは必要としない(パスを通しても動かないことは同じ)。
どうも、バージョンが変わるとインストール方法なども変わり、expressが所定のところに入っていない感じだ。新しいバージョンでは、npm install expressではなく、express-generatorを最初に入れないといけないのだそうだ。しかし、そうしてもexpressが動かない状況は変わらない。
不思議なことに、カレントディレクトリー(サーバー環境の一番上のディレクトリ)には、expressをインストールするたびに、C;という一般には使わない記名のサブディレクトリが必ず定義され、ここにexpress関係が入ってしまう(セミコロンはCUIでは無効になる)。
そもそも、nodeそのもののインストールからしていくつかの方法がある。あるところでは、「WindowsではNodistが良い」というし、本拠地のサイトから一式をダウンロードするのではなく、npm(nodeにおけるパッケージ管理環境)で新しいバージョンをいつも更新できる環境の方が良いとも言われる。
いずれにしても、expressサーバーのスクリプトは動かない。色々なサイトを巡って片っ端から前の環境を消しては新たにnodeやexpressをインストールするが、全滅である。
バージョンに合ったインストールをしていないことが、この混迷の原因だと思うのだが、今となってはもう遅い。Nodistという既にアンインストールしたはずのパッケージのディレクトリ名が、あのC;のディレクトリーの中に出現したりして、もうわけがわからない。
そのうち、何故かいつもこういう状態でこれまで挫折していることに気が付いて愕然とする。雑誌の付録基板などのときも同じだ。言われるままにLチカまで進むが、少し先に進もうとすると一気に難しくなり先に進めなくなる。
PID制御や、サーボモーターの時もそうだった。初歩の実験や理論については山ほど情報があるし、簡単に動くのだが、その先がわからない。今度もnodeサーバーが動くまでは至極簡単なのだが、その先に進もうとすると、こうして阻まれる。
今の人たちは大変だなと思う。昔はベンダーに囲い込まれていたから、開発環境や、言語は選びようがなかった(歯を食いしばって頑張るしかなかった)。しかし、現在はオープンシステムで、それも百花繚乱、こうやって挫折しても次に移れる。しかし、簡単に移れることは逆に不幸なことなのだ(また同じ繰り返しになる)。
このブログにも再三書いていることだが、理解できなくても我慢して浴びるように情報を摂取していれば、いずれは突然霧が晴れるように全貌が見える時が来る。これが電子工作(いやお稽古ごと全般)の醍醐味なのだが、現実となるとそう強がりも言っていられない。
本当にnodeをこのまま勉強して行って、ものになるのか自信がなくなってきた。PCに向かっては、ため息をつく時間が過ぎる。そういうときは、何も考えず手を動かす作業が一番気が紛れる。このあいだの雑誌付録のUSB-DACのケースを作ったりして遊ぶ。
会社のPCでexpressは動いた。自宅でもなんとか成功(4/21/2015)
それが、奇妙なことで解決したのである。自宅のPCでは何かゴミが残っているらしく、どうやってもexpressがうまくインストールできない。それではというので、仕事の出先のPC(Win8.1)に、まっさらからnodeをインストールしてみた(最近の仕事は開店休業状態で時間はたっぷりある)。
手順の中では一番まとまっているこれを選ぶしかし、3のexpressの導入で引っかかる。前と同じだ。ただ、今度はこれまでに起きていた変なC;というディレクトリが作られる現象は止まった。ふーむ、少しは前進したか。
次に、expressではなく、express-generatorだよと教えてくれたこのサイトの手順を試してみる。やっぱり、expressはコマンドとしては動かない。しかし、だめもとで、サンプルコードを動かしてみると、正常にサーバーが立ち上がったのである!
え、えー、ほんとか。間違いなくexpressを入れたHTTPサーバーが動いている。コンソールに直接expressを入れてもnot foundなのにnodeスクリプトとしては動く。わけはわからないが動いたことは事実である。
帰宅して、とるのもとりあえず地下のPCルームにこもる。もう一度、全く新しいディレクトリを作り、環境変数も入念に今までのnode関係のものがないかチェックし、Program Filesの中も隈なく調べてnode関係がないことを確かめたあと、事務所で動いた2番目の手順をインストールした。
おやー、事務所では出てこなかったC;というディレクトリが出来ている。やっぱりどこかにゴミが残っている。既に消したはずの、Nodistとか、最初に作ったワークディレクトリのNODEというサブディレクトリが出来ている。expressは危惧した通り、サンプルコードも動かない。
しかし、このあたりになると、expressのディレクトリー構造がわかってきている。少し閃いたので、C;に入っていたexpressのディレクトリチェーンの中味を本来あるべきところへ強引にコピーし、C;ディレクトリを消して動かしてみた。
ピンポーン!だった。見事に自宅でも、expressが動いてサーバーが立ち上がった。いやあ手間がかかった。こんなにnodeをインストールするのが大変とは思わなかった。原因は明らかに、C;という変なディレクトリを作る操作がインストールの途中で紛れ込み、それがexpressを動かなくしていたことは間違いない。
しかし、それがなぜ起きているのかについてはまだ解明出来ない。また、expressそのものはまだコマンドとして単独では動かない。疑問はまだまだ残るけれど、expressはその後、処理を増やしていっても問題なく動いている。まあ、一山は越しただろう。やっとこれでブログに報告できるというものだ。
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