motionの動体検知はRaspi3の電源が安定しない
フィールドテストの開始(3/25/2017)
適当なパラメーター(前記事参照)を設定して、いよいよmotionによる自宅前の道路の動体検知の監視を始めた。道に面したサンルームのブラインドにカメラのレンズが通るだけのの隙間をわずかに開けて、そこに三脚に固定したカメラを設置する。外から見ると、ブラインドに隙間が空いて何か不自然だけれど、実験なのでとりあえずはこのままに。
RaspiはWiFiにしたので引き回すケーブルは電源ケーブルだけで良い。設置は楽になった。HDDは三脚の下に置いた菓子折りの空き箱にHUBと一緒に載せる。電源スイッチを入れてその場を離れる。地下の工作室に戻ってPCからSSHを開き、motionを起動する。
よーし、これでmotionは、ストリーム画像を送りながら、動きがあった時だけ、動画(aviファイル)と静止画(jpegファイル)をSAMBAサーバーの所定のフォルダーに画像を残していくはずである。念のため、PCのブラウザーでストリーミングを確認する。うむ画像が出た。 小一時間、カメラをサンルームに置き、データを収集した。ファイル数200ばかり。容量にして80MBくらいが溜まった。これくらいなら一日放置しても大した量にはならないか。
データの中身をチェックする。自動車は監視対象ではないが、動体検知するのは車のときが殆どである。カメラの位置は進行に対して90°なので自転車の追尾は結構難しい。この場所からでは流れ映像しか撮れない。
歩行者は問題なさそうだ。動体検知画素数1000程度で十分捕捉している。それでもタバコを人家の庭にポイ捨てする不届き者の人相を完全に把握するのは難しそうだ。
ファイルは動体検知をしたセッション単位にひとつづつ数が増えていく。現在は、イベント番号(検知セッションの中での連番)というのがファイル名の先頭に来るので、ソートがうまくいかない。ファイル名を工夫しないといけない。
監視カメラの仕様がなかなか決まらない(3/28/2017)
フィールドテストは始まったが、本格的な運用に入るまでに解決しなければならないことがブラインドの不自然な隙間だけでなく、まだ沢山ある。
現在、撮影は室内から窓ガラス越しにやっているが、本当は外に置きたいところだ。しかし、外に置くとなると、カメラの防水、防風、防塵などの対策がただちに大ごとになる。レンズを近づけてガラスの影響を少なくする場所があれば良いのだが、今のところ都合の良さそうな所は見つからない。
また、三脚にカメラを固定し、付属物を横に置いているが、これももう少し工夫したい。掃除はしにくいし、機動的な移動はできない。それに、まだ猫に気づかれていないが、HDDは僅かだが音を出す。長時間放置した場合の音に敏感な猫の対策も考えておかないといけない。
さらにカメラの運転仕様が悩ましい。吸い殻を捨てる不届き者の特定を当面の目標にしているから、長時間の監視が求められる。人通りの少ない早朝か深夜が考えられるので、もしかしたら赤外線カメラにする必要があるかもしれない。自動的な時間制御もあった方が良い。
出来上がった映像のチェックがこれまた大変である。motionを使っているので、歩行者、自転車が通過するときだけの映像になっているはずだが、映像をチェックするPC側のビュワーの機能だけでなく、現在のファイル名を今よりもうすこし合理的なものにしたい。
先述したように、現在のmotionの録画したファイル名の先頭は、ひとつの動き検知のなかの複数の動きの番号(イベントNo)で、ソートするときとても不便である(ここの1や2は余り意味をなさない)。これはmotion.confのファイル名設定で換えられそうだが。
世の中の監視カメラの整理はどうやっているのだろうか。やっぱりしらみつぶしに映像を見ていくしか能がないのか。悩ましい所である。
電源制御装置を入れるだけで電圧降下の警報マークが出る(3/29/2017)
フィールドテストをしながら、Raspiを安定して動かす電源の検討をしている。Raspbianのデスクトップには、電力不足になると画面右上に警報の稲妻型のロゴが出る(4.65V以下)ことを知り、これで、たくさんあるこれまでのACアダプターの性能比較が楽になった。
ブート時はCPUにロードがかかり手持ちのすべてのアダプターで一部に稲妻が出る。結構敏感である。しかも必ずしも容量の大きい(流せる最大電流)アダプターの方が安定しているとは言えない。秋月の5V 3Aより、セルフパワーHUBについていた容量表示が2.6Aの方が何故か稲妻の出方が少なかったりする。ただ、少々稲妻が出てもすぐRaspiがダウンするわけではない。
電源ケーブルとして使っているUSBケーブルでも大きな違いがある。太いケーブルの方が相対的には良いが、これとて余り長いと細い短いケーブルに負ける。秋月電子のRaspi専門の商品棚にあった長さわずか10センチくらいのUSBケーブル(タイプA->マイクロB)がやはり最強だ。
先だって作った自慢のRaspiの自動電源制御装置(スイッチ押下で電源が入り、シャットダウンで小電流になると電源OFF)は、レギュレーションを間違いなく悪化させる。これを経由させると稲妻が出る頻度が高くなり、システムが不安定になってしまうことがある。
この電源制御装置は0.22Ωのシャント抵抗で電流を計測している。500mA流れても、0.1Vの低下にしかならないので影響は少ないはずだが、どうしてなのだろう。
以前買った、USBソケット内にLCD電流計を入れたやつはもっと良くない。入れただけで電圧が下がり、正常に立ち上がらない。表示は4.7V以上だが、恐らく瞬間的な大電流のとき表示以上の電圧降下があるのだと思われる。
オシロでこの瞬間的な電圧降下を測定したいと思うが、トリガーをどうかけて良いのかわからない。入力をACにして、高感度にし、トリガーをnormalやsingleにしてみるが、全く引っかからない。
こうした瞬間的な降下を回避したいのだが、どうもうまく行かない。下手なインダクターは無用の直流の電圧降下があるし、コンデンサーも大容量のものが既に付いている。これ以上の追加は突入電流が心配だ。
どうも、Raspiの電源コネクターになっているマイクロUSBのソケットを疑いたくなってきた。2A以上の電流が流れるというのに、あの接点の小ささは気になる。あまり結果は期待できないが、これも例のやり方に替えて試してみることにする。
電源をGPIOピン経由にしても改善せず(4/1/2017)
それは、以前の無印Raspiで愛用していた、GPIOピン配列に一緒に設定されているVccピンに直接5Vを供給する方法である。無印RaspiはUSBからのパワー供給は、ポリスイッチが間に挟まっており、こいつが悪さをして電源が安定しなかった。
このポリスイッチを無効にすることで安定化したのだが、最も簡便なのはそのあとにピンに出ているVccピンに電源を供給してしまうことである。ポリスイッチが有効に動くのは、raspi基板内でショートなどで電流が流れることで、それは通常考えられない。これがなくても余り問題にならないという判断である。
今度のRaspi3は、電源供給用に特化したUSBマイクロソケットがついており、その先の配線はRaspi2までと変わることはない。しかし、マイクロUSBのような小さな接点で、2Aを越す電流を安定的に送れるとは思えない。不安定さの要因のひとつになっているのではないか。
そこで、前の無印Raspi同様、GPIOピンのVccに電源を供給し、いくつかの同じテスト(ブラウザー2本立ち上げ、motion動作、自分でストリーム受信など)をやってみた。残念ながら、マイクロUSBからの給電に比べ大きく改善されることはなかった。
電源制御装置で奇妙なトラブルにはまる (4/3/2017)
問題なさそうなケーブルやACアダプターを選んで、何とか自作の電源制御装置を入れても安定して電源が供給されるようになった。
ただ、SAMBAサーバーに使っている2.5インチHDDの電源供給(USBから給電)は、ただでさえ逼迫しているRaspi3の電源事情を考えて、当初から、セルフパワーのHUBを追加している。しかし、これでは、監視カメラを動かすのに2台のACアダプターが必要になり、取り回しが悪い。
そこでせめて、ひとつだけのACアダプターでRaspi本体と、HDDをドライブするセルフパワーのHUBの電源にしようとした。ただ、セルフパワーHUBのACアダプターの受け口は、当研究所標準の2.1ミリジャック(秋月電子の標準と同じ)と違うので少々の加工が必要である。
ところがこのテストをしているうち、妙な挙動に悩まされることになった。電源制御装置にACアダプター端子を追加し(単に入力をパラにしただけ)テストした時のことである。ブートしてRaspiのデスクトップ画面が順調に立ち上がった途端、電源制御のリレーが動いて切れてしまった。
はじめは過電流が流れてRaspiがリセットしたのかと思ったのだが、勿論そんな状況ではなく、正確にリレーが働いて電源を切っており、症状は再現する。つまり、これはRaspiの消費電流量がシャットダウン時とみなされるまで低下していることを意味する。これはおかしい。Raspiは電源が切れるまで、ブートメッセージを始め、正常な動きをしている。
なんとUSBセルフパワーHUBが犯人(4/5/2017)
こういう状況を放置しておけないのが所長の習性である。何が原因なのだろう。突き止めるまでは先に進めなくなった。幸いこのTiny13の電源制御装置は、裏蓋を開けるだけでデバッグ用のUARTにアクセスできる。字化けが何故か多いが(未解明)、そのときの消費電流と測定カウント、インターバルなどを表示する。
このUARTをつないでスタート時からの電流量をモニターして驚くべきことが分かった。何と、このHUBのときは、Raspiには通常の1/3の電流しか流れていない。Raspiは普通、立ち上がりの時はかなり電流が流れるが、デスクトップが出てしまえばRaspiは200mA前後に落ち着く。これが通常の1/3だとシャットダウン時に想定している最高電流80mAを下回る。で、制御装置はシャットダウンと判定したのだ。
しかし、電流量が減ったのが全く理解できない。ブートは通常通り行われており、問題はない。するとHUBの電源を共通のACアダプターからとっていることが、これまで違ったところなので、これが原因であることは明らかである。しかし、理屈が合わない。USBコネクターから電源が供給される?そんな馬鹿な。
試しにHUBを取り替えて別のHUBにしてみた。ははは、この問題は全く解消した。本当だ。セルフパワーのUSB-HUBの中には、スレーブからでもマスターのUSBパワーの電源を戻してやることがあるのだ。
体制は整ったが、突然、工作意欲がなくなる(4/14/2017)
妙な現象は、手持ちのセルフパワーHUBの特性であることがわかった。症状の出ない別のHUBに切り替え、Raspiの監視カメラの電源整備はとりあえず一段落である。
三脚の上にカメラ付きのRaspi3を置き、そこから電源用と、HDD接続用のUSBケーブルを2本出す。三脚の下にHDDとセルフパワーHUBを配置し、そこからACアダプターへの電源ケーブルを引くというレイアウトである。
これをサンルームに持ち込み、テスト開始と意気込んだところに、珍しく風邪を引いた。これがかなり酷く、熱は微熱なのだが咳が止まらないうえ、声がしゃがれて出なくなった。こんなに喉をやられたことは記憶にない。無精して医者に行くタイミングを逃し、家人からあきれられた。
そんなことで、突然工作意欲が湧かなくなった。電源制御装置のモニターのUARTの字化けを直そうと、久しぶりにAtmelStudioを立ち上げたりしているのだが、次の一歩が出ない。実はこのあいだネットで評判になっているESP8266の発展版、ESP32も買ってきてあるのだが、これも手が付かない。
これまでにやった工作らしい工作は、傘の骨の修理(東急ハンズで修理用パーツをゲット)。DVDレコーダーリモコンの修理(これはカラ割には成功したが赤外線LED点灯せず。アマゾンで買い直し)。このあいだてこずったRaspiのBlueToothのテスト(キーボードは簡単につながったが、タイムアウトがあって使いにくい)、と脈絡のないことばかりである。
まあ、これは意欲が戻るのを待つしかない。ブログもこのままではまずいので、とりあえず、中身はないが、これまでの報告ということで。
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コメント
mako sharkさん、コメントありがとうございました。
風邪はすっかり良くなりました。ご心配ありがとうございます。
電圧不足の稲妻マークは、USBコネクターの接触不良でも起きるようで何か根本的な解決が欲しいところですね。
投稿: がた老 | 2017年4月17日 (月) 01時52分
風邪お大事にしてください。
>スレーブからでもマスターのUSBパワーの電源を戻してやることがあるのだ。
たぶんですが、スレーブのVccとGNDが全て並列になっているのではないでしょうか。
電源はあまり高機能だとかえって使いにくいものになるんですね。
電圧効果がひどいなら、負荷の場所の電圧をモニターするようなフィードバック回路を入れたらと思いましたが、意外なオチでした。
私が使っているUSB電圧電流チェッカーは電流検出抵抗が12mΩほどなので、お使いのものより少々有利かと。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01HGTIA9A/ref=oh_aui_detailpage_o09_s00?ie=UTF8&psc=1
投稿: mako shark | 2017年4月16日 (日) 20時20分