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2018年9月9日 - 2018年9月15日の1件の記事

2018年9月 9日 (日)

ESP8266による電波時計リピーターの完成

 今年の8月は例年にない猛暑だった。観測史上初めてという猛暑日(35度以上)数の記録が各地で相次いだ。ここ東京も例外ではなく、月後半には猛烈な雷の夕立が連続したりして、何か日本が亜熱帯気候地帯に変わってしまったかのような不気味さを覚える。

 電子工作は相変わらずである。暑さでアスレチックジムのヨガを欠席することが増えて工作の時間はむしろ増えているのだが(何しろ老人は不要不急の外出はするなと脅されている)、集中が効かなくなっている。昔に比べれば間違いなく進行の速度が落ちている。

 ESP8266を使いまわして、AitendoのJJY標準電波受信モジュールを使った自作電波時計や、オシレーターチップ(LTC1799)を使ってJJY電波にNTP時刻を載せるリピーターを大分前から作っているのだが、どうも埒(らち)が明かない。記事の更新間隔もまた一か月を越えてしまった。

 まあそれでも、あれこれいじくりまわして、やっとそれらしい動きを双方がするようになってきたので、ここらでご報告することにする。このままずるずるブログの更新が出来ないでいると、電子工作に対する意欲そのものを失う心配があるからだ。

自前で作ったUNIX経過秒のお粗末(8/9/2018) 

 前回記事のコメント通り、自前のUNIX経過秒とNTP時刻との1日のずれは、Shuji009さんの指摘であっさり解決した。何と閏年の計算違い(バグとも言う)というお粗末である。Ws000008

 以前、JSTの指定をしたのにNTPからの時刻に9時間の差が出てしまい、面倒なので9時間足して辻褄あわせをしたことがあるが、今度も自前で計算した日時(1970年1月1日からの経過秒)とNTPの経過秒が合わない。時差のずれではないので少し気になったが、これも無精して1日足して帳尻を合わせた。

 それが記事をアップしたあと、Shuji009さんからコメントが入った。2000年は400で割り切れる年で閏年ですけど大丈夫ですかというご指摘である。閏年のロジックは、「4で割り切れる年は閏年。ただし、100で割り切れる時は平年。さらに400で割り切れると再び閏年」という結構ややこしいロジックである。

 はいはい、ちゃんと400で割り切れるロジックも入っていますよと、最初は自信満々だったが、何か胸騒ぎがした。待てよ、400で割り切れるときに、平年に戻していないかい。言葉にすると400で割り切れる時は、100でも割り切れるので、そんなことは考えられないが...

 あわててソースリストを出して見る。「がーん」、400で割り切れるときは平年にしている!こいつだ。せっかく400年のロジックを入れたのに逆さまでは何にもならない。これでは一日遅れるのは当然だ。 

 自作の閏年を決める関数、leapyear( )のロジックを修正する。勿論、簡単に解決した(添付画面は修正済み)。考えてみたら、UNIXの経過秒は、1970/1/1からの計算だから、時差とは関係ない。プログラムミスの疑いを持つべきだった。こういうことにあとから気づくのだから、どうしようもない。

パラレルキャラクタLCDもお粗末なトラブル(8/15/2018)
 気になっていたパラレルのキャラクターLCDが動くようになった。Arduinoの標準ライブラリ(LiguidCrystal.h)では動かず、ESP8266ではだめなのかも、と放置してあったのだが、その後ウェブ上で新しいライブラリーが見つかったのでこれを試すことにした。

 LCDのテストに使っていたNTP時刻をUARTに出力するプログラムに、前のライブラリを退避させて新しく組み込む。しかし、こいつも最初は動かなかった。このパラレルLCDは当初3.3V仕様であることを忘れ、不要なバックライトの負電圧回路を組み込んだり、バックライト配線が別にあることに気づくのが遅れたり散々苦労しているのだが、今度も駄目かとがっくり落ち込む。

 こういうときは腰を据えて、落ち着くことだ。基本に立ち返ってハードウエアの配線からチェックしなおした。おやあ、コントラストを決める端子が未配線だけれど、これに電圧をかけなくても良いの?いや、そりゃ駄目でしょう。

 そうか、こいつが原因に違いない。あわててブレークアウト基板に、半固定抵抗器を実装し、ピンに接続する。電源を入れ起動しなおすと見事LCD画面に「Hello ARDUINO」の初期表示がでた。やれやれ長かったな。コントラストの配線をしていないのでコントラスト最小のまま表示が見えていなかっただけというお粗末である。

Dsc01476

 もしかすると、元の(ArduinoIDEに最初から組み込まれている)LiguidCrystal.hでも動いていたのかも知れない。しかし、他にやらねばならないことが多いので、そこまでさかのぼって確認する気力がもう生まれてこない。さきに進もう。

 NTPの時刻を表示して暫く遊ぶ。書式付きの関数printfがlcdでも動くことを発見した(lcd.printf)。数字の表示位置が固定されるので「:」や「/」がずれず、格段に見やすくなる。ただし、ESP8266では多数の変数を表示しようとすると暴走する(3つまでOKであることは確認)。

較正の仕方がわかってエンコーダーの開発は順調に進む(8/22/2018)

 猛暑が続く。しかし地下室は温度が安定して涼しく、極楽だ。それなのに電子工作の進捗ははかばかしくない。今度のプロジェクトの最終目標は、ESP8266でNTP時刻を使いJJY電波をエンコードするリピーターである。Dsc01478 そのモニター用のこれもESP8266で作ったJJY電波時計の調整に手間取っている。このプログラムはUARTに盛大なテストメッセージが出るので、テストをやりやすくするため、時刻表示をLCDに出そうとしたのだが、LCDそのものの表示がなかなかうまくいかない。

 一方、オシレーターチップLTC1799を使ったリピーターの電波の強度は、もう十分だ。受信機と発信機双方をデスク上に置いた(1m以内)状態で、電波をON/OFFすると電波時計のモニターLEDがはっきり同期して点滅するのを確認している。ただ、送信を止めて暫くすると、受信機は本来のJJY電波を受信するのか乱れたパルスが出始める。

 受信モジュールにはAGC(自動感度制御)がついているようだ。ある程度以上の強度の電波をうけていれば微弱なJJY電波の方はマスクされるが、それが止まると弱い電波でも受信し始める感じだ。実用性を高めるためには、このあたりをもう少し調べておきたい。

 しかし、現在の電波時計プログラムの出力は、PCのコンソールしかなく移動できる場所が限られる。PCからは結構ノイズが出るのでここからも少し離したい。キャラクタLCDに手を付けたのも移動性を高めるためだった。

 とはいえ、こればっかりやっていても先に進まない。そこで、これまで放置していたリピーターのJJY電波エンコーダーの開発に注力することにした。干渉の方はこれが出来てからでも良い。リピーターの実装は、前回記事で紹介した通り、Pythonで書いたソースコードが手本にある。

 あらためてこれを読み込む。おお、これはとても自然なコーディングで好感が持てる。難しいことは全くやっていない、仕様通り、ポジションマーカーパルスで隔てられた10秒単位のデータを送り込んでいる。NTPとの較正のやり方がよくわからなかったのだが、ここでは平明な方法で実装している。

 あらかじめ、NTPで時刻を得たところをマイクロセカンドオーダーのタイムスタンプで記録し、次の正時(0秒)に見合う待ち時間を計算し、その待ち時間を使ってJJYのエンコードシーケンスの関数をスタートさせるというものだ。これで正確な同期が実現する。これはわかりやすい。

それらしい電波時計のシーケンスが出た(8/24/2018)

 同期ロジックがわかったので、急に先が拓けた気分になった。俄然コーディングする意欲が起きて移植に力が入る。Pythonから、Arduinoの言語(C++が基本)に戻すのは、そう難しくない。

 ただ、Pythonは構造化ブロックの識別がインデント(字下げ)だけなので、間違いやすいだろう。書くのは楽だがデバッグに苦労しそうだ(何を隠そう所長はbegin endで構造に厳密なpascal派だ)。

 しばらくコーディングに専念した。なにしろパルス一回当たりで数百msは待つロジックなので、少々のデバッグステートメントは入れ放題である。ArduinoのUART(Serial.printなど)はバッファリングしているらしく、一行出力では数十μsしか遅れないし、lcdでも2行出力が3msしかかからない。

 デバッグのためテンコ盛りにテストメッセージを入れたスケッチが完成した。まだLTC1799オシレーターの出力制御まで配線が済んでいないが、LEDをつけて動きを確かめる。電波時計のLEDブリンクは、このところいやというほどテストしているので、大体の動きは見ているだけでわかる。Dsc01481

 よーし、それらしい点滅が始まった。念のためオシロにもいれて動きを確認する。良いようだ。ブレッドボード上のLTC1799発生回路のロジックICに結線して実際の電波を発射する。ここまで来ると先を急ぎたくなる。ミニブレッドボード2つに組んだJJY電波時計を近くに寄せ、受信テストを開始する。

 良いぞ。電波時計のLEDがLTC1799オシレーターのLEDに合わせて点滅を始めた。問題ない。本来のJJY側の干渉もなく、順調に受信しているようだ。UARTコンソールをもう一台増設し、電波時計側のモニターも開始する。

 いやあ、長いことかかったが、電波時計側も、ノーエラーで時刻を表示し始めた。しかし、少し電波が弱い。1mも離すと、エラーが出始め、大元のJJY電波と干渉が始まってエラーの嵐になる。まだ安定したとは言えない。

 そうは言っても、とにかく目的は果たした。嬉しい。しばらく表示させて様子を見る。うーむ、まだ時間は正確ではないようだ。まず、分の更新が遅れている。それと1分遅い(これは想定済み)。それと、NTPとの同期ではどうも一秒程度遅いようだ。

秒の精度にこだわってみる(8/26/2018)

 ArduinoのNTPはSNTPがベースで、一時間に1回くらいの較正が入っているようである。クライアントのレベル(つまりWiFiの先のESP8266)でも、公式サイトによると0.5ms程度の誤差に止まるという話だが、どうもそれほど正確ではない(このほかここも参照)。

 自宅にある既存の電波時計を持ち込んだり、有線電話の117で調べるが、1秒近くずれている。もっとも市販の2万円以上するNTPリピーターでも誤差は1秒というのが多い。相手が人間である限り、こだわってみても余り意味はないのだが気にはなる。

 同期の方法を、待ち時間方式ではなく、一分単位に最終59秒まで来たら、NTPの時刻取得コマンド now = time(NULL); を10ms間隔で発行し、秒が59から00になるタイミングを待って同期させる方法に換えてみた。これでかなり正確になるはずだが、余り前と変わらない。それでも、分の更新の遅れの修正や(これは単なるコーディングミス)、コンソール出力メッセージの調整(多すぎるデバッグ用メッセージ削除)を進め、段々電波時計らしくなってきた。Dsc01482

 開発が一段落してきたので、昨日、これも久しぶりに御徒町のAitendoを訪れ、ESP8266の予備とアダプター基板、ついでにI2C液晶を数点買い込んだ。土曜ということもあって、いつもながら混雑している。ここのLCDのラインナップはすさまじく多い。I2C液晶のコントローラーチップは殆どが例のST7032のようで、制御ソフトについて神経を遣わないで済むのは嬉しい(Arduinoのライブラリで動く)。

AitendoのI2C液晶ディスプレイで遊ぶ、いや遊ばれている(8/28/2018)

 リピーターや受信機は、ブレッドボードでは動いたが、実装をどうするかで迷っている。すぐにはうまい方法が見当たらないので、とりあえずは、Aitendoで買い込んだI2C液晶のLCDの動作試験をすることにした。ところが、これがまた曲者だったのである。

 沢山のAitendoの液晶群の中から、あらかじめウェブで一番スマートそうな奴を選んで買ったのが、このLCDである。しかし買って帰って良く見ると、ピン幅が、1.8ミリという変態的な間隔で、しかもバックライトの端子が横に不作法に突き出ている。Ws000009

 例のピッチ変換テクニックの荒業を駆使してブレッドボードに装着する。空中配線は予想通りうまく行った。10ピンのハンダ付けはとても頑丈で、ハンダは僅かづつしか付いていないが12本もつけば少々力を入れてもビクともしない。ブレッドボードの抜き差しも全く心配ない。

 このLCDはI2CとSPI両方のインターフェースをサポートしているので、ジャンパー配線や、パスコンを2つも接続しなければならないが、とりあえずはピンだけにしてブレッドボードでこのあたりは配線する。Dsc01483  最終的には、受信機も、リピーターもLCD表示でスタンドアローン化したい。ただ。時計なので電池駆動は無理でACアダプターということになりそうだ。

ST7032のライブラリーが入らない(9/4/2018)
 I2C液晶に対するArduinoの対応は、多種多様な方法があるようで、ウェブ上には、沢山の方法、ライブラリーの紹介があり、何を選んでよいか迷ってしまう。このあたりは、ここのサイトが詳しく紹介されているのでお勧めである。

 今度の液晶のコントローラチップST7032のライブラリーだけでもいくつかあるが、当研究所では、一番簡単そうな、このサイトのライブラリーを選ばせてもらった。

 おや、こちらは標準のライブラリではなく、新たなライブラリST7032.hが必要なようだ。言われるままにリソースをダウンロードし、所定のディレクトリに収容してビルドに入った。しかし「ST7032.hなんて知らないよ」という素っ気ないエラーが返ってきた。

 ふーむ、ウェブの指定では、とってきたリソース(フォルダー)のリネームをすることになっている。そういえば、ArduinoIDEは立ち上げ直していない。一旦、終了して立ち上げ直す。よーし、ビルドのメッセージが先に進んだ。コンパイルしているようだ。

 いやだめだ。ソースリストの中でコンパイルエラーが出ている。ST7032.cppの中でavr/pgmspace.hがないと怒られる。なにー、avrじゃないとだめなのか。手近なところにavrのライブラリーはない。それにここはESP8266だ。暗雲が垂れ込める。

 困ったときのGoogle先生である。ウェブを漁ると出てきた出てきた。いつものエラーメッセージぶっこみ方式である。「ST7032.h avr/pgmspace.h no such file」で一発で、このGitHubがヒットした。ST7032.cppを探し出し、この通りにしたらコンパイルが通った。

 ソフトはOKである。意気揚々と、配線をしてテストを開始する。店が紹介するデータシートは中国語だが、不思議に殆どが理解可能だ。I2Cなので、ピン12本のうち必要なのは4本だけで(Vcc GND SCL SDA)配線が楽だ。それと、I2C/SPIの識別する制御ピンなどを適当につないで実験を開始した。

この液晶もコントラスト不足で最後までてこずる(9/5/2018)
 これがまた全く動かない。ライブラリーを使うのは楽で良いけれど、ソフトが悪いのかハードが悪いのか、このままでは全く見当がつかない。こういうときは処置なしである。そのうち、不具合箇所の切り分けに良い方法を見つけた。

 I2C液晶は、ストロベリーリナックスの昔のPCMプレーヤーに使った現物がブレッドボード上に残っている。これを流用して動かしてみればどちらが悪いかすぐわかる。早速試す。え、いやこれも動かない。何だと―、ソフトが悪いのか。

 ウェブ上で紹介されているソースリストをもう一度良く見る(これしか頼りにならない)。コンストラクターでlcdオブジェクトを作って(ST7032 lcd;など)、次のステップがいきなりlcd.clear()などのステートメントだ。これ何か足らないような。例えば、lcd.begin(16,2)なんて初期化はしないで良いのかい。半信半疑だったが、だめもとである。付け加えてみる。

 おーし、ストロベリーリナックスの超小型LCDにメッセージが出た。初期化ステートメントが抜けていただけだ。ソフトは問題ない。しかし新しいLCDでは動かない。何回目かのピン配置の確認をしているとき、とんでもないことを見つけて顔が青ざめた。

 何とピン番号のスタートが逆順だ。ICなどのストレートのピン番号は原則は反時計回りで下の段なら左側からだが、このLCDのピン番号は右から始まっている!データシートには明記されているので間違えたこちらが悪いが、それにしても。

 さらにVccとグランドの端子位置を確かめて愕然とする。電源2本は中間地点で対称についている。つまり逆にすると電源は逆差しになってしまう。いやあ、壊したか。折角、ピンヘッダーを芸術的に接続したというのに。逆接の時間は通算でも1分ないと思うが壊れた可能性は高い。

 泣く泣く、もう一台のLCDの実装にとりかかる。最初のLCDのピッチ変換のピンヘッダーをとりはずし、2台めにハンダ付けする。さあどうだ。あれー、まだ表示されない。しかし、表面がうっすら変わった感じがする。前の経験が生きている。

 今度もコントラストか。 I2C液晶のコントラストはソフトである。コードには中間の30にしてある。ストロベリーリナックスのLCDはこれで良かった。もしかしたら、こいつを変えると良いのかもしれない。コントラストを50にして再ビルドする。やったー、文字が出た。

Dsc01485  悔しいので、速攻でコンソールからのキー入力でコントラストを上下するロジックを組み込む。このLCDは0~63までのうち、50以上でないと鮮明に出ないことが分かった。

 壊れたと思った最初のLCDの方である。ピッチ変換ピンヘッダーをもう一度付け直すのは大変なのでジャンパーコードを無理やりハンダ付けし、付属のパスコンなどは空中配線でつけてテストした。良かった、壊れていなかった。正常に表示が出た。やれやれこれでブログに書くことができる。
(スケッチのコードはまだ未完成なので、次回以降に公開したいと思います。)

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